精選版 日本国語大辞典 「異極鉱」の意味・読み・例文・類語
いきょく‐こう ‥クヮウ【異極鉱】
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亜鉛鉱床などの酸化分解帯などに産出する二次鉱物の一種。化学組成はZn4Si2O7(OH)2・H2O。無色透明,白色。斜方晶系で,短柱状,針状,繊維状結晶の塊状集合体として産出する場合もある。結晶の上下方向両端の形態が異なる特徴により,その名称がつけられた。比重3.3~3.5,モース硬度4.5~5。へき開が明瞭でありガラス光沢を呈する。その形態からも明らかなように異極性が著しく,ピロ電気性を示す。亜鉛のケイ酸塩鉱物であるが,リョウ亜鉛鉱,白鉛鉱などと密に混合して産出する場合,鉛・亜鉛の鉱石として利用されたこともある。しかし単独での利用は少ない。多くの鉛・亜鉛鉱山に産出するが大分県木浦鉱山などの結晶は大型で美しい。
執筆者:湊 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ウルツ鉱ZnSは同質異像。亜鉛鉱床の酸化帯にはセン亜鉛鉱のほかに,リョウ亜鉛鉱smithsonite ZnCO3(とくに方解石を伴う鉱床に多い),異極鉱Zn4(Si2O7)(OH)2・H2Oなどを産し,鉱石として利用されることもある。大分県木浦鉱山の異極鉱は美晶である。…
※「異極鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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