瘤胃(読み)こぶい(英語表記)rumen

翻訳|rumen

精選版 日本国語大辞典 「瘤胃」の意味・読み・例文・類語

こぶ‐い‥ヰ【瘤胃】

  1. 〘 名詞 〙 偶蹄(ぐうてい)類の反芻胃(はんすうい)の第一番目にあって最も大きな胃。内壁多くのこぶ状の突起がある。これと網胃(第二胃、蜂巣胃)は食道末端部に位置し、ここで消化された食物はいったん反芻されて口でそしゃくしなおされ、あらためて葉胃(第三胃)に送られる。りゅうい。第一胃。ルーメン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瘤胃」の意味・わかりやすい解説

瘤胃
りゅうい
rumen

こぶ胃,ルーメンともいう。ウシヒツジラクダシカなど反芻類 (ウシ亜目) と呼ばれる偶蹄類の食道に連なる第1の胃。これらの動物の胃は4室に分れており,食道に近いほうから,第1の胃,第2の胃,…と呼ぶ。これらの動物は草食性であるが,瘤胃の中には多種類の原生動物細菌が多数生息していて,飼料中のセルロースデンプンや糖類などを発酵によって分解し,消化の役に立っている。食物はまず瘤胃にたくわえられて第2の胃 (蜂巣胃) に移り,再び口に戻って細かく噛み砕かれて (反芻) から瘤胃を通らずに,蜂巣胃の一部を通って第3の胃,第4の胃に送られる。瘤胃で消化にあずかった微生物は,第4の胃で反芻類自身の消化酵素で溶かされ,腸から吸収される。

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