発育(読み)ハツイク

精選版 日本国語大辞典 「発育」の意味・読み・例文・類語

はつ‐いく【発育】

  1. 〘 名詞 〙 発生し育つこと。育って大きくなること。成長。また、やしない育てること。育成。
    1. [初出の実例]「天道流行して造化発育(ハツイク)したまふ。その賦予分数を命となづく」(出典翁問答(1650)上)
    2. 「文明の元素を異にし、素元素の発育を異にし」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉緒言)
    3. [その他の文献]〔礼記‐中庸〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「発育」の意味・わかりやすい解説

発育
はついく

主として組織器官の細胞数の増加,形や量の増大などの形態に関する質的および量的成熟過程をいう。ほとんど成長と同じ意味で用いられる。また,発達とも近い概念である。発育は主として身体面について,その形態の年齢的な変化を表わすのに用いられることが多い。これに対して発達は機能と構造上の分化・複雑化を意味し,機能面に関する質的・量的成熟過程をいう。本来,形態と機能の両者相互に関連して進歩していくものである。したがって用語として発育発達と並記されることが少くない。

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普及版 字通 「発育」の読み・字形・画数・意味

【発育】はついく

生長する。

字通「発」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の発育の言及

【成長】より

…植物の場合には生長と書くことが多い。一般には,生まれて育つ過程での,同化作用が異化作用を越えることにより生ずる形態や重量や数量などの大きさの増加をいい,発育とほぼ同義のことばとして使われる。生物学的には,もっと広く生体量の増加をさし,原形質の量の増加や,原形質自身が合成する物質量の増加を意味する。…

※「発育」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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