出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
分娩が進行して胎児が産道内を下降し,出口部すなわち腟口に見え隠れする状態(排臨)を経て,ついに陣痛の休止している時期(間欠時)にも中へ引き込まなくなった状態をいう。産婦の苦痛は頂点に達し,疼痛のために無意識にいきむようになり,ときに大声を発し,全身を痙攣(けいれん)させるように腹圧をかける(いきむ)。これを戦慄陣痛という。経産婦では発露の状態は瞬間的にすぎないが,初産婦ではこの期間が長く,数分から十数分に及ぶこともある。この期間があまりに長いと胎児の低酸素状態が進行し,娩出後新生児仮死の状態になりやすい。そこで今日では,産婦の苦痛を和らげ,胎児の障害をなくするために適当な無痛処置(麻酔)を行うと同時に,いわゆる会陰切開を行って,胎児の早期娩出を図るのがふつうである。
→出産
執筆者:岩崎 寛和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報
…陣痛がさらに加わると,児頭は陰裂の間に陥入して間欠時にも後退しなくなる。これを発露(はつろ)という。ついで陣痛に加わった強い腹圧により児頭が娩出する。…
…経産婦ではこの状態の期間は短く,まもなく胎児は娩出されるが,初産婦では外陰とくに会陰の筋肉および皮膚の抵抗が大きいために時間がかかる。この時期を過ぎて,胎児が腟口に露出し,陣痛間欠時にも引き込まなくなった状態を発露(はつろ)といい,まもなく胎児は娩出されるが,排臨から発露にかけては陣痛が著しく,会陰の伸展も高度となるため,産婦の苦痛は頂点に達する。一方,胎児は長時間の分娩経過を経て,娩出直前に強い圧迫を受ける時期なので,この時期が長引くと低酸素状態となり,胎児仮死という状態になりやすい。…
※「発露」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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