白歯(読み)シラハ

デジタル大辞泉 「白歯」の意味・読み・例文・類語

しら‐は【白歯】

白い歯。
《昔、歯を黒く染めた既婚女性に対して》未婚の女性。処女
「―で家に居るではなし、余故よそへ縁附いていた所で」〈紅葉・二人女房〉

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精選版 日本国語大辞典 「白歯」の意味・読み・例文・類語

しら‐は【白歯】

〘名〙
① 白い歯。皓歯(こうし)鉄漿(かね)で黒く染めてない歯。
おあむ物語(1661‐73頃)「しら歯(ハ)の首はおはぐろ付て給はれとたのまれて」
婦系図(1907)〈泉鏡花〉前「袖に抱いた風呂敷包みの紫を、皓歯(シラハ)で噛んだ」
② (昔、結婚すると女性は歯を黒く染めたところから、それに対して) 未婚の女性。処女。白歯娘。
評判記色道大鏡(1678)三「新艘(しんそう)傾城、尤はぐろめして出世すべし、然るに頃(このころ)片田舎の傾城、新艘のしるしとして、白歯(シラハ)にて出世する、おほかり」

あお‐ば あを‥【白歯】

〘名〙 お歯黒を付けない、白いままの歯。
随筆胆大小心録(1808)一五〇「男子歯黒そめ、粉紅つき、ひたひつくりしは見よからず。後鳥羽院男色をこのませしより、わがきん達によそほせしなるを、やがてよにあを歯なるは見苦しとさへ云ひしなり」

はく‐し【白歯】

〘名〙 白い歯。〔易林‐渙、随〕

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