百日鬘(読み)ヒャクニチカツラ

デジタル大辞泉 「百日鬘」の意味・読み・例文・類語

ひゃくにち‐かつら【百日×鬘】

歌舞伎の鬘の一。月代さかやきの長くのびたようすを表現したもので、時代物盗賊囚人などの役に使う。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「百日鬘」の意味・読み・例文・類語

ひゃくにち‐かずら ‥かづら【百日鬘】

〘名〙 歌舞伎の鬘の一種。盗賊や囚人などに扮する時に用いるもので、月代(さかやき)がのびほうだいになった形のもの。さらに長くのびたものを「大百日(おおびゃくにち)」、短いものを「五十日」という。現在いう「髷付(まげつき)逆熊(さかぐま)」にあたり、「百日」と一般に称するのは江戸時代の「大百日(おおひゃくにち)」にあたる。百日束ねの鬘。
※洒落本・根柄異軒之伝(1780)「百日かつらで痩(やせ)た様に見せ顔に」

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世界大百科事典(旧版)内の百日鬘の言及

【歌舞伎】より

… にも役柄によって定められた類型がある。実事の役に使う〈生締(なまじめ)〉,大盗賊の〈百日鬘〉(大百(だいびやく)),傾城の〈立兵庫(たてひようご)〉,御殿女中の〈片はずし〉などは代表的なもので,基本的なもの数十種と,それらの部分の組合せによる膨大な数の種類がある。上にあげたような代表的な鬘は,鬘の名がそのまま役の性格を示すようになっているのを見ても,歌舞伎の演技・演出の中に鬘が占めている重要性が理解できよう。…

※「百日鬘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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