相府蓮・想夫憐・想夫恋(読み)そうふれん

精選版 日本国語大辞典 「相府蓮・想夫憐・想夫恋」の意味・読み・例文・類語

そうふれん サウフレン【相府蓮・想夫憐・想夫恋】

(「そうぶれん」とも) 雅楽曲名。唐楽。新楽。平調(ひょうじょう)の中曲。舞は絶えた。中国、晉の大臣王倹が蓮(はす)を植えて愛した時の楽とも、王倹が一時失脚し清廉であることがわかって返り咲いたのを、泥中の清澄な蓮の花にたとえて作ったともいう。のち、男を恋慕する女心の曲と解されて「想夫憐」「想夫恋」と書かれるようになった。「平家物語」では、小督局(こごうのつぼね)がこの曲を弾箏して天皇の愛をしのんだとする。
※二十巻本和名抄(934頃)四「平調曲 相夫憐」
源氏(1001‐14頃)常夏「いで、ひき給へ。才は、人になむ恥ぢぬ。さうふれむばかりこそ、心のうちに思ひて まぎらはす人もありけめ」 〔楽府詩集相府蓮

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