矢野郷(読み)やのごう

日本歴史地名大系 「矢野郷」の解説

矢野郷
やのごう

和名抄」高山寺本・東急本ともに「矢野」と記すが訓を欠く。「芸藩通志」は「今も矢野庄矢野村あり」とする。近世の矢野庄は梶田かじた西野にしの本郷ほんごう(現甲奴町)深江ふかえ・矢野(現上下町)の五村をいうが中世の矢野庄の範囲もほぼその付近と思われる。


矢野郷
やのごう

「和名抄」高山寺本・流布本ともに「矢野」と記し、流布本のみ「也乃」と訓ずる。「吾妻鏡」寿永三年(一一八四)四月六日の条に源頼朝が池禅尼の旧恩に報いるため池大納言家に返却した平家没官領のなかに「矢野領伊与」がある。「古今著聞集」に「安貞の比、伊予矢野保のうちに黒嶋といふしまあり」に始まる漁夫海中から網で鼠を引き揚げた話がある。矢野領は矢野保とも称し、矢野郷であろう。現西宇和郡保内ほない町一帯に比定されるので、喜多郡矢野保がいつの頃か宇和郡に包含されるようになったのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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