デジタル大辞泉
「知恵熱」の意味・読み・例文・類語
ちえ‐ねつ〔チヱ‐〕【知恵熱】
1 乳児にみられる原因のわからない発熱。昔は知能の発達と関係があると考えられていた。
2 俗に、頭を使いすぎたときに起こる熱。
[補説]文化庁が発表した平成28年度「国語に関する世論調査」では、「知恵熱が出た」を、「乳幼児期に突然起こることのある発熱」で使う人が45.6パーセント、「深く考えたり頭を使ったりした後の発熱」で使う人が40.2パーセントという結果が出ている。
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ちえ‐ねつ チヱ‥【知恵熱】
〘名〙 生後六~七か月ごろの乳児に起こる発熱。知恵がつきはじめる時に起こると俗に考えたことからいう。歯のはえはじめる
時期に起こるため、
感冒や
扁桃炎などによることが多い。知恵ぼとり。
※家(1910‐11)〈
島崎藤村〉上「智慧熱といふ奴かも知れんよ」
ちえ‐ぼとり チヱ‥【知恵熱】
※雑俳・俳諧觿‐八(1786)「
掛乞を見ると泣出す知恵ぼとり」
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知恵熱 (ちえねつ)
乳児にみられる発熱で,ほかにはっきりした症状がなく,数時間から1日くらいで下がるものをいうが,医学的な用語ではなく,このような病気があるわけではない。実際には,ウイルス感染による上気道炎や,暑い季節に脱水状態をおこして発熱するいわゆる夏季熱などのことが多い。乳児に発熱をみたときは,咳,鼻水などほかの症状がないか,着せすぎていないか,きげんや食欲はどうかなどをよく観察し,水分を十分に与えて,なお熱が続く場合は医師の診察を受ける必要がある。
執筆者:柳沢 正義
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知恵熱
ちえねつ
生後6か月前後の乳児にみられる原因不明の発熱。最近は発熱の原因が明らかになることが多く、この用語は用いられなくなっている。この時期の乳児は、運動機能や知的な発達が目覚ましく、いわゆる「知恵づき」といわれ、また、同時に発熱しやすくなる時期でもあるため、知能発達に伴う発熱として、昔から知恵熱と称されてきた。最近は、母子免疫の低下に伴う感染症を生じやすくなる時期ということが明らかとなり、発熱の原因も咽頭炎(いんとうえん)や感冒などによることが多い。したがって、知恵熱と称して放置することなく、小児科医の診察を受けることが望ましい。
[帆足英一]
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ちえねつ【知恵熱】
昔の人は生後6か月ごろから1歳ごろまでに起こる急な発熱で、はっきりした病気ではなさそうなものをこう呼びました。このころの赤ちゃんはおすわり、はいはいなど赤ちゃんの行動範囲が広がり、感情表現も豊かになります。そうした「知恵づき」のころに出る熱だから……という理由のよう。でも実際は「知恵熱」という病気はありません。
出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報
知恵熱【ちえねつ】
生後半年を過ぎたころの乳児に原因不明の発熱をみることがあり,ちょうど知恵がつき始めるころなのでこう呼ばれる。知恵づきとは無関係で,発熱の時期や解熱後なんらの障害も残さないことなどから,最近では突発性発疹ではないかと考えられている。もちろん同じころ他の病気で発熱することもあるから注意を要する。
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知恵熱
ちえねつ
生後半年から1年ぐらいの頃によくみる発熱。たまたま知恵のつきはじめる頃にあたるので,俗に知恵熱と呼ばれるが,知能発達とは関係がない。
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