石成庄(読み)いわなりのしよう

日本歴史地名大系 「石成庄」の解説

石成庄
いわなりのしよう

史料には岩成ともみえ、現御幸みゆき上岩成かみいわなり・下岩成がその遺称と考えられる。立荘経過ならびに荘園領主は不明だが、室町時代初期には上村下村に分れており、下村の下地地頭方と領家方とに中分されていたと思われる。

貞和五年(一三四九)三月七日付長井聖重譲状(田総文書)によれば、長井聖重(田総重継)が嫡子孫次郎直千に石成庄下村地頭職を譲っており、永和三年(一三七七)三月一〇日付備後守護今川了俊遵行状(早稲田大学付属図書館蔵)には「長井弾正蔵人能里申備後国長和荘東方 同国石成庄下村地頭職等事、依為本領、去貞治六年六月廿五日被成下御教書上者、退官次郎左衛門尉違乱等、可沙汰付能里代之状如件」とみえる。また康暦三年(一三八一)二月日付長井能里申状案(田総文書)には「能里当国之内知行分四ケ所也、田総小童長和三ケ所者本領也、岩成庄者当御代最初勲功之賞也」とあり、また宮氏の押領によって不知行となっていることが記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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