日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
硫黄島(いおうじま、鹿児島県)
いおうじま
鹿児島県佐多(さた)岬の南西約40キロメートルにあるおもに安山岩からなる活火山島。鹿児島県鹿児島郡三島村(みしまむら)(村役場は鹿児島市内にある)に属する。面積11.65平方キロメートル。最高点704メートル。火山列島(東京都)の同漢字名の島と区別し、吐噶喇(とから)硫黄島、薩摩硫黄島(さつまいおうじま)とよぶ。別名鬼界ヶ島(きかいがしま)。
東方の竹島とともに、7300年前の噴火で生じた鬼界カルデラ(径20キロメートル前後)の縁をなす。西日本火山帯に属し、おもに流紋岩の溶岩と火砕流堆積(たいせき)物からなる。主峰の硫黄岳は円錐(えんすい)形の成層火山で、現に硫気活動が盛んで、1998年(平成10)から小噴火が継続的におこっている。1934~1935年(昭和9~10)の海底噴火で誕生した新島(昭和硫黄島。最高点24メートル)が東方に残存する。平安末期に僧俊寛(しゅんかん)が流された地といわれ、墓がある。1964年硫黄採掘が中止され、耕地も少なく過疎化が進んでいる。鹿児島港から村営定期船が寄港する。人口108(2009)。
[諏訪 彰・中田節也]
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