出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
硫黄分を含む温泉。狭義には単純硫黄泉、含硫黄ナトリウム・塩化物泉(含食塩硫黄泉)、含硫黄ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉(含食塩重曹硫黄泉)をいい、広義には単純硫黄泉硫化水素型(硫化水素泉)、酸性含硫黄硫酸塩泉硫化水素型(酸性硫化水素泉)なども含まれる。硫黄は、コロイド硫黄、硫化水素ガスとして含まれるもののほか、硫黄イオン、水硫(すいりゅう)イオン、チオ硫酸イオン、まれにポリチオン酸イオンとして含まれることがある。硫化水素を多く含む温泉では湧出(ゆうしゅつ)後に酸化され、硫黄を析出するがこれが硫黄華である。硫黄泉の分布は、日本では温泉の約10%あまりで、皮膚病、神経痛、外傷後遺症などの治療に効能ありとされ、群馬県の草津温泉、万座温泉、長野県の野沢温泉、宮崎県のえびの高原温泉などが知られる。
[綿抜邦彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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