乗込(読み)のりこみ

精選版 日本国語大辞典 「乗込」の意味・読み・例文・類語

のり‐こみ【乗込】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 乗物に乗り込むこと。また、その人々。
    1. [初出の実例]「昔、なまくさき出家と、〈略〉しゅんれいと、のりこみの舟に遊女をよび、しゅえんして」(出典:咄本・私可多咄(1671)一)
  3. 相手方に勢いよくはいりこむこと。特に戦場で、敵の陣容を乱すため、敵中に切り込んでいくこと。〔兵法雄鑑(1645)三六〕
  4. 役者や興行人などが、一座を組んで旅先の興行地に繰り込むこと。江戸時代には、東西の役者の上り下りに際して、出勤する劇場へ到着して挨拶をかわす行事。
    1. [初出の実例]「下りの乗込(ノリコミ)一座のさはぎ」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)
  5. 能楽演技の型の名称。右手の扇をあげて前にゆっくりとおろし、前進する足をとめると同時に拍子を踏むこと。

のっ‐こみ【乗込】

  1. 〘 名詞 〙 産卵期を迎えた魚、冬ごもりを終えた魚が深い所から浅い所に移動すること。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「枝川にのっこみの鮒を釣らうと」(出典:生々流転(1939)〈岡本かの子〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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