デジタル大辞泉
「神風や」の意味・読み・例文・類語
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かみかぜ‐や【神風や】
② (転じて) 伊勢皇大神宮の中を流れる「
五十鈴(いすず)川」、また、その別名の「御裳濯
(みもすそ)川」にかかる。
※後
拾遺(1086)賀・四五〇「
君が代はつきじとぞ思ふ神風やみもすそ河のすまむ限りは〈源経信〉」
※新古今(1205)神祇・一八七四「神風やいすず川波数知らずすむべき
御代にまたかへり来む〈藤原公継〉」
③ (①から転じて) 皇大神宮のある地「山田の原」「
宮野の原」や、皇大神宮を表わす「内外
(うちと)の宮」「朝日の宮」などにかかる。
※五社百首(1190)「神風や宮野の原のかるかやをかられて秋も過ぎむものかは〈
藤原俊成〉」
※金槐集(1213)雑「神かせや朝日の宮の宮うつし影のどかなる世にこそありけれ」
④ 神の縁で、「豊幣帛
(とよみてぐら)」「玉串
(たまぐし)の葉」「みつの柏
(かしわ)」「
八重の榊葉」などにかかり、また「
木綿(ゆふ)」と同音を持つ「夕日
(ゆふひ)」などにかかる。
※元永元年十月十三日内大臣忠通歌合(1118)「神
かぜやゆふ日の浦のおきつなみたちゐしばなく
浜千鳥かな」
※新古今(1205)神祇・一八七六「神風やとよみてぐらになびくしでかけて仰ぐといふもかしこし〈後鳥羽院〉」
[
補注]
上代の
枕詞「かむかぜの」の変化したもの。「かみかぜ」「かむかぜ」の
発音の別は確実ではない。なお、③④は枕詞とみず、「かみかぜや」で「伊勢の」の意を表わしているとする説がある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報