福迫横穴群(読み)ふくざくよこあなぐん

日本歴史地名大系 「福迫横穴群」の解説

福迫横穴群
ふくざくよこあなぐん

[現在地名]相馬市馬場野 福迫

阿武隈高地東縁から東に延びる高松たかまつ丘陵東端部一帯に立地する横穴群。丘陵の北側には沖積地が広がり、宇多うだ川が北東流して松川まつかわ浦に注ぐ。七世紀から一〇世紀まで営まれた横穴墓で、相馬地域の墓域の一つとされる丘陵の一角にある。昭和四三年(一九六八)に実施された調査によって四一基の横穴が確認され、二三号から二五号の三基のみ発掘が行われている。玄室構造は正方形寄棟家形の平入り造と妻入り造が確認されている。寄棟家形妻入り造の玄室をもつ横穴墓が南斜面に集中しているのが大きな特色であるが、このうち二三号墓のみは平入りの形態をとる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報