家庭医学館 の解説
とっぱつせいほっしんみっかねつほっしんしょう【突発性発疹(三日熱発疹症) Exanthema Subitum】
ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)の感染でおこる病気ですが、集団発生することはありません。
●かかりやすい年齢
2歳以下の赤ちゃん、とくに生後6か月から1歳までの離乳期の赤ちゃんがかかります。
かかると終生免疫(めんえき)ができ、二度とかかることはありません。
●流行する季節
いつでも発生しますが、季節の変わり目に多い傾向があります。
[症状]
急に38~39℃の熱が出て、昼夜を通して3日前後続きます。この間、赤ちゃんはふきげんで、よく眠らず、泣いて、嘔吐(おうと)や軽い下痢(げり)がみられたり、ときにけいれんをおこしたりします。また、のどが赤くなり、鼻汁(びじゅう)が出ることもありますが、せきやくしゃみはでません。このため、この時期には、急性消化不良とか、かぜなどと診断されがちです。
発病後3~4日たつと、急に熱が下がって平熱となり、前述の症状も消えます。このころ、顔や胸腹部から始まり、全身に広がる「あせも」や「はしか」に似た発疹(ほっしん)が現われてきます。この発疹はかゆみがほとんどなく、2~3日で消え、病気は治ります。
[治療]
特効薬はありません。病気の初期で診断がはっきりしなければ、医師は、解熱薬(げねつやく)や抗生物質を使用することもありますが、診断がつけば薬は使いません。ただし、熱性(ねっせい)けいれんをおこしたことのある赤ちゃんには、けいれんの予防のために解熱薬を使います。
入院の必要はありません。
●家庭看護のポイント
熱のため体内の水分が不足するので、飲料を十分に与えます。
高熱が続き、心配させられますが、危険のない病気で、とくに、予防法を講じる必要もないとされています。