デジタル大辞泉
「窄」の意味・読み・例文・類語
さく【窄】[漢字項目]
[人名用漢字] [音]サク(漢) [訓]せまい すぼむ すぼめる
せまい。せばめる。「狭窄」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
つぼ・む【窄】
(「つぼむ(蕾)」と同語源)
[1] 〘自マ五(四)〙
① 狭いところにまとまっている。引きこもっている。小さくなる。集まってかたまる。
※勝山記‐天文一四年(1545)「
去程にさかみの屋刑も
大義に思食候て、三嶋へつほみ被
レ食候」
② 狭く小さくなる。また、開いているものが閉じる。つぼまる。すぼむ。
※足利本論語抄(16C)子罕第九「尋常の花は先づつほうて、後に開くが、
唐様の花は先づ開て、后につほむぞ」
[2] 〘他マ四〙 小さく狭くする。つぼめる。
※俳諧・玉海集(1656)一「口をつぼみ口をひらくや桜がい〈
当心〉」
すばり【窄】
① すぼまっていること。縮まって狭くなっていること。特に、
肛門(こうもん)がすぼまって、しりの穴が小さいこと。多く、男色に関係することばとして用いられる。
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)
陸朱劉叔孫一三「唐土の倉は上すはりに、下ひろなぞ」
※
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上「寺内にて、ゆき相
(あふ)程の人、『すばり、里へか。さらばさらば』といふ」
すぼ・い【窄】
〘形口〙 すぼ・し 〘形ク〙
① すぼんでいて細い。狭く細くなっている。また、ほっそりとしている。
※白氏文集天永四年点(1113)三「
小頭の鞋履、窄
(スホキ)衣裳」
※拘幽操筆記(1689)「くらがりよりあかるき処を見るときに、目のすぼくなるやうなを云」
※高倉院升遐記(1182)「花の色すぼくして恨みを含み」
すぼ‐げ
〘形動〙
すぼ‐さ
〘名〙
す・ぶ【窄】
〘他バ下二〙
① すぼめる。一か所にまとめて小さくする。ちぢます。恐れたり、へりくだったりするさまにいう。
※石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六「若し眉を
(スフ)といふときには、顰に作るべし」
※天草本伊曾保(1593)
驢馬と狐の事「
キツネ〈略〉ヲヲ subete
(スベテ) サッタ」
② さえぎりふさぐ。
※
日葡辞書(1603‐04)「ミチヲ suburu
(スブル)」
すば・る【窄】
〘自ラ四〙 小さくなる。せまくなる。縮まる。減少する。すぼまる。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「後生ひのおそろしかりしかば。耳はすはりにしを」
※
黄表紙・金銀先生再寝夢(1779)「己が肩身がすばる様だ」
[
補注]広く放散した
状態が
収斂(しゅうれん)する、多くのものが集まって一つ所にまとまることが
原義であろう。統一される意の「すばる(統)」と
同源と考えられるが、「窄る」はスボル・スマルの形でも用いられ、「しぼむ(萎)」「しまる(締)」と類義関係を有し、状態そのものをいうときは形容詞「す
ぼし(窄)」を用いる。
すぼ・る【窄】
〘自ラ四〙
① 狭くなる。小さくなる。ちぢむ。せばまる。すぼむ。
※
名語記(1275)九「たためばすぼり、ひろぐればひろくなる」
※日葡辞書(1603‐04)「クチガ suboru(スボル)」
② 衰える。不景気になる。
※浮世草子・
世間胸算用(1692)四「ことに
我等は、近年銀と中たがひして、箱に入たるかほを見ませぬと、世のすぼりたる物がたりして」
すぼ・む【窄】
[1] 〘自マ五(四)〙
① 物が縮んだりしぼんだりして小さくなる。ふくらんでいた物や広がっていた物などが小さくなる。また、物の末の方がだんだん細く狭くなる。すぼまる。〔観智院本名義抄(1241)〕
※咄本・
醒睡笑(1628)八「
夢窓の御肩興さめてうすくすぼみたれど」
② 衰える。
つぼ・める【窄】
〘他マ下一〙 つぼ・む 〘他マ下二〙
① 小さく狭くする。ちぢめる。すぼめる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初「ときどきまゆげをあげさげしてくちをつぼめて物を云くせ有」
② 開いていた傘を閉じる。
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉九「かさをつぼめてゐすよりとびをり」
すぼ・める【窄】
〘他マ下一〙 すぼ・む 〘他マ下二〙 すぼむようにする。広がっている口を狭くする。ちぢめる。また、「肩をすぼめる」などの形で、肩身のせまい思いをしたりするさまなどにいう。
※太平記(14C後)二四「舎利弗口をすぼめて息を出し給ふに」
※茶話(1915‐30)〈薄田泣菫〉無学なお月様「春日の杜影に円い頭を窄(スホ)めて引っこんでゐた」
すぼま・る【窄】
〘自ラ五(四)〙 すぼんだ状態になる。狭くなる。ちぢむ。すぼむ。
※日葡辞書(1603‐04)「サシカサガ subomaru(スボマル)〈訳〉手でさす傘がすぼまる」
つぼま・る【窄】
〘自ラ五(四)〙 小さく狭くなる。つぼむようになる。つぼむ。すぼまる。
※雑俳・伊勢冠付(1772‐1817)「雨の降る日・雲助がつぼまって行」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報