りっすい【立錐】 の=地(ち)[=余地(よち)]も無(な)い
錐を突き立てるほどの狭い
土地もない。人や物が密集しているたとえ。
※松山集(1365頃)
紗帳「蚊子更無
二立錐地
一 和
レ風散作
二柳花飛
一」
※
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉附録七「賽人雑沓殆んど立錐
(リッスヰ)の地なし」 〔
呂氏春秋‐離俗覧〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
立錐の地も無い
人や物が密集していて、わずかな空間もないようすのたとえ。
[使用例] 彼の特別出演は上々の首尾であり、毎夜、この五千人劇場には、立錐の余地もなかった[小栗虫太郎*オフェリヤ殺し|1935]
[由来] 「[呂氏春秋]―離俗覧・為欲」の一節から。欲のない人間は、この広い世界全体のことも、「立錐の地(とがった錐の先を立てるくらいのわずかな土地)」と同じようにしか思っていない、と述べています。本来は非常に狭い土地を指すことばですが、日本では、「わずかな空きスペース」という意味で使われています。
〔異形〕立錐の余地も無い。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報