童舞(読み)ドウブ

デジタル大辞泉 「童舞」の意味・読み・例文・類語

どう‐ぶ【童舞】

《「とうぶ」とも》舞楽で、子供のまう舞。わらわまい。

わらわ‐まい〔わらはまひ〕【童舞】

子供の舞。特に、法会などで稚児の舞う舞。ちごまい。

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精選版 日本国語大辞典 「童舞」の意味・読み・例文・類語

わらわ‐まいわらはまひ【童舞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. どうぶ(童舞)
    1. [初出の実例]「内裏にてわらはまひ御覧ぜささせ給ひき」(出典:今鏡(1170)一)
    2. 童舞<b>①</b>〈石山寺縁起絵〉
      童舞〈石山寺縁起絵〉
  3. 特に、寺社の法会や神事などで稚児の舞う舞。ちごまい。
    1. [初出の実例]「有童舞〈尊海法印沙汰云々〉」(出典:東大寺続要録(1281‐1300頃)供養篇本)
  4. 五節(ごせち)の舞のことをいうか。また、五節の童御覧の儀か。
    1. [初出の実例]「わらはまひの夜はいとをかし」(出典:能因本枕(10C終)九六)

どう‐ぶ【童舞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「とうぶ」とも )
  2. 舞楽で、子どもの舞う舞。「迦陵頻(かりょうびん)」(左舞)、「胡蝶」(右舞)のようにはじめから童舞のために作製されたものと、「陵王」「抜頭」などの大人用の舞楽を装束をかえ、面をつけずに子どもが舞うものがある。わらわまい。
    1. [初出の実例]「諸僧行興福寺見物。種々舞楽・雅楽女舞・童舞等」(出典:参天台五台山記(1072‐73)六)
  3. 若衆の舞。
    1. [初出の実例]「泛墨川写望、則有青簾白舫妓歌童舞」(出典:枕山詩鈔‐三篇(1867)上・遊墨川)

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世界大百科事典(旧版)内の童舞の言及

【舞楽】より

…これら左舞,右舞は,管弦の諸楽器の伝承とともに,それぞれ,そのどちらかを,各楽人が伝承することになっている。
[分類と楽器編成]
 舞楽の分類には,唐楽・高麗楽,あるいは左舞・右舞という分類と,これとは別の観点から平舞(ひらまい),走舞(はしりまい),文ノ舞(ぶんのまい),武ノ舞(ぶのまい),童舞(わらべまい∥どうぶ)といった分類がある。唐楽・高麗楽の分類の経緯は前述したが,左舞・右舞に関しては,現行の唐楽曲のうち《還城楽(げんじようらく)》《抜頭(ばとう)》2曲は左舞・右舞の双方に伝を残し,《陪臚(ばいろ)》1曲はもっぱら右舞の中でのみ伝えられている。…

【舞楽】より

…これら左舞,右舞は,管弦の諸楽器の伝承とともに,それぞれ,そのどちらかを,各楽人が伝承することになっている。
[分類と楽器編成]
 舞楽の分類には,唐楽・高麗楽,あるいは左舞・右舞という分類と,これとは別の観点から平舞(ひらまい),走舞(はしりまい),文ノ舞(ぶんのまい),武ノ舞(ぶのまい),童舞(わらべまい∥どうぶ)といった分類がある。唐楽・高麗楽の分類の経緯は前述したが,左舞・右舞に関しては,現行の唐楽曲のうち《還城楽(げんじようらく)》《抜頭(ばとう)》2曲は左舞・右舞の双方に伝を残し,《陪臚(ばいろ)》1曲はもっぱら右舞の中でのみ伝えられている。…

※「童舞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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