端倪(読み)タンゲイ

デジタル大辞泉 「端倪」の意味・読み・例文・類語

たん‐げい【端×倪】

[名](スル)《「荘子」大宗師から。「端」ははじめ、「倪」はおわりの意》
物事の初めと終わり。事の始終
物事の本と末、終わりと始めを推しはかること。あらかじめ予想すること。推測。「この子の才能には端倪すべからざるものがある」
[類語]忖度推察拝察高察賢察明察憫察びんさつ推測推量推考邪推類推酌量了察推認推断推定斟酌しんしゃく憶測配慮揣摩しま揣摩憶測しまおくそく察し心配り気配り心遣い気遣い推し量る酌む酌み取る思い思い勘繰る思いやるおもんぱかる推し当てる心当て気を回す見越す察する感じ取る

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精選版 日本国語大辞典 「端倪」の意味・読み・例文・類語

たん‐げい【端倪】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「端」は緒(いとぐち)、「倪」は田の境、田の終わる所の意 )
  2. 事の本末終始。
    1. [初出の実例]「其於五色之顕著則雖頑夫痴子遙弁其端倪」(出典:異制庭訓往来(14C中))
    2. [その他の文献]〔荘子‐大宗師〕
  3. かぎり。きわ。はて。
    1. [初出の実例]「莫朕は端倪をみぬ処ぞ。どこが方所とも限りもなき処を云ぞ」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)三)
    2. [その他の文献]〔謝霊運‐遊赤石進帆海一首〕
  4. ( ━する ) 推測すること。測り知ること。多く「端倪すべからず」の形で、容易に測り知るわけにはいかない意に用いる。
    1. [初出の実例]「吾釈門之訓盛大浩博。未概見而端倪焉」(出典:懶室漫稿(1413頃)五・晦叔字序。送智上人帰越)
    2. 「貴方は、見事な、端倪(タンゲイ)すべからざる心理家だ」(出典:死霊‐二章(1946‐48)〈埴谷雄高〉)
    3. [その他の文献]〔韓愈‐送高閑上人序〕
  5. 物事の端緒。いとぐち。きざし。
    1. [初出の実例]「旧習の迷ひを辨じ、窮理の端倪を示さんとする老婆心に出る者故」(出典:旧習一新(1875)〈増山守正〉凡例)

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普及版 字通 「端倪」の読み・字形・画数・意味

【端倪】たんげい

ことの始末を明らかにする。唐・韓〔高閑上人を送る序〕天地事物の變、喜ぶべく愕(おどろ)くべきもの、一に書に寓す。故に(張)旭の書、變動することほ鬼のごとく、端倪すべからず。

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