島根県・隠岐諸島の北西約158キロ、韓国・
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「日本書紀」白雉四年(六五三)七月条によると、高田根麻呂らの乗っていた第二次遣唐使の第二船が「薩麻之曲、竹島之間」において遭難し、五人のみが竹島に漂着した。そのうちの一人門部金の知略によって島にある竹を採って筏を作り、
河辺郡に属し、一島一村の扱いであった。寛永一六年(一六三九)の御分国惣高並衆中乗馬究帳(旧記雑録)によれば竹島の高九石三斗余。元禄国絵図には硫黄島のうち竹島とあり、島回三里一三町、硫黄島まで海上三里。藤井本「要用集抄」によれば正徳三年(一七一三)頃の所惣高二〇石六斗余、用夫六三。鹿児島藩船奉行支配で、鹿児島から海路二八里。享保一一年(一七二六)六月に竹島の名寄帳(三島村誌)が作成されている。同帳によれば高二〇石九斗余で、内訳は田方五畝余・高七斗九升余、畠方五町七反四畝余・高一七石五斗八升余、屋敷六反余・高二石五斗五升余、屋敷(門)九、家部三一(社家一・庄屋一・名頭七・名子二二)。
隠岐群島の北西一五七キロの日本海に浮ぶ二つの岩石島。五箇村に属する。江戸期は
この竹島は浜田藩の竹島密貿易事件で改めて渡海禁止令が出されたが、のち竹島・松島の呼称には混乱があったようである。日本海軍水路部編纂の「水路誌」に「鬱陵島一名松島」とあり、松島の列岩は嘉永二年(一八四九)フランス船リアンコールト号が初めて発見、船名よりリアンコール列岩、略してリヤンコ島と命名したとある。明治維新後、島根県人の戸田敬義らの竹島開発出願が相次いだため、外務省は明治一三年(一八八〇)軍艦を竹島に派遣して調査、朝鮮国の領土鬱陵島であることを確認した。
府相町の海岸から四〇〇メートルの沖にある花崗岩の島で、周囲およそ六八〇メートル、面積一・九ヘクタール。今は海岸とコンクリート橋で連結されている。この島に
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
日本海上、島根県の隠岐(おき)諸島の北西約85海里(約160キロメートル)にあり、韓国の鬱陵(うつりょう)島にも近い、小さな東西二つの岩島と、これに付随する数十の岩礁からなり、人の常住には適さない島。全島面積0.23平方キロメートル。英語ではLiancourt Rocks(リアンクール岩礁)という。韓国はこの島を独島(どくとう)とよび、1954年(昭和29)以来灯台、無線施設、国標等を設置するとともに警備隊を常駐させ、実力をもって占拠しているが、日本はこれを不法占拠として抗議を繰り返しており、同島の帰属をめぐって、とくに排他的経済水域設定のうえで、両国の間に紛争が続いている。日韓の国際紛争発端となったのは、1952年1月に韓国の李承晩(りしょうばん)大統領が海洋主権宣言を行い、いわゆる李承晩ラインを設け、そのなかに竹島を取り込んだことによる。日韓両国はそれぞれ、歴史的にみても国際法の観点からも、竹島が自国の固有の領土であると主張している。まず韓国は古い記録に基づいて、新羅(しらぎ)時代から鬱陵島の付属島嶼(とうしょ)として竹島を領有してきたと主張する。日本はその記録の引用に疑問を呈するとともに、17世紀に日本が80年間鬱陵島を経営したとき以来、竹島は日本に属すると反論している。また1905年(明治38)1月28日に閣議決定により竹島を領土編入するとともに、島根県告示をもって竹島を同県隠岐島司の所管と定めたことにより、日本は国際法上の領土取得の要件を満たしたと主張するのに対し、韓国は同国領土である竹島に関するそのような措置は無効であると反論している。日本は1945年(昭和20)まで実地調査や官有地としての土地台帳への記載など竹島を実効的に支配した。そして、1952年の対日平和条約で朝鮮の独立を承認したが、竹島は日本が放棄した地域のなかには含まれなかった。1965年の日韓交換公文は、外交上の経路を通じて解決されなかった紛争を、調停によって解決を図ると定めた。しかし、韓国は竹島問題が交換公文にいう紛争ではないと主張しているので、調停付託の見通しはたっていない。
なお、竹島という名の島は愛知県や鹿児島県などに数多く存在する。
[太寿堂鼎・広部和也]
『川上健三著『竹島の領有』(1953・外務省条約局)』▽『川上健三著『竹島の歴史地理学的研究』(1966・古今書院)』▽『上地龍典著『尖閣列島と竹島』(1978・教育社)』▽『『竹島考證』『竹島関係文書集成』(1996・エムティ出版)』▽『田村清三郎著『島根県竹島の新研究』(1996・島根県総務部総務課)』▽『慎ヨン廈著、韓誠訳『史的解明独立(竹島)』(1997・インター出版)』▽『大西俊輝著『日本海と竹島――日韓領土問題』(2003・東洋出版)』▽『金学俊著、Hosaka Yuji訳『独立/竹島韓国の論理』(2004・論創社)』▽『下條正男著『竹島は日韓どちらのものか』(文春新書)』
愛知県蒲郡市(がまごおりし)にある島。花崗(かこう)岩の島で標高22メートル、周囲約680メートル。島全体が竹島弁天を祀(まつ)る八百富(やおとみ)神社の境内で、社叢(しゃそう)はタブ、モチ、トベラなど238種の亜熱帯植物の自生地(国の天然記念物)になっている。本土と結ばれている長さ387メートルの竹島橋の下は砂州が延び陸繋(りくけい)島状をなし「東海の江の島」ともいわれ、潮干狩の適地。蒲郡観光の拠点でもある。海水汚濁のため、海水浴場はさらに沖合いにある三河大島へとかわった。
[伊藤郷平]
鹿児島県薩摩(さつま)半島の南端にある開聞(かいもん)岳から南方約38キロメートルの海上に位置する小島。鹿児島郡三島村(みしまむら)に属す。周囲12.8キロメートル、面積約4.20平方キロメートル、最高点は約220メートル。火山島で、硫黄(いおう)島、黒島とともに鬼界カルデラ(きかいかるでら)の外輪部をなす。周囲はほとんどの部分で100メートル近い断崖(だんがい)で囲まれる。地質は輝石安山岩と溶結凝灰岩が主体である。島全体がリュウキュウチクとよばれる竹で覆われているため、この名がある。この竹は過去の焼畑農業の跡の二次植生といわれている。そのほかにタブ、ガジュマル、アコウ、ハマヒサカキなどの亜熱帯植生もみられる。耕地は狭く、港湾設備も不十分で、農漁業など産業活動は振るわない。村役場は鹿児島市内にあり、村営「みしま丸」が往復する。人口70(2009)。
[塚田公彦]
隠岐(おき)諸島の北西157km,北緯37°09′,東経131°55′にある島。男島(西島),女島(東島)の2主島(岩石島)と十数個の岩礁からなる。面積0.23km2。島根県隠岐郡隠岐の島町に属する。しかし韓国も島の領有権を主張し,独島(トクド)と呼んでいる。近海は日本海の好漁場である。江戸初期,山陰の漁民はこの島を〈松島〉と呼び,朝鮮半島東岸沖の鬱陵(うつりよう)島を〈竹島〉と呼んでいた。1849年にフランスの捕鯨船リアンクール号がこの島をリアンクール岩と名づけ,以後は山陰の漁民も〈リャンコ島〉と呼ぶことが多かった。
執筆者:池田 善昭
竹島の帰属をめぐる日本・韓国間の係争問題。1618年(元和4)伯耆国(鳥取県)の大谷・村川両家が江戸幕府から竹島を拝領し漁場を開拓した。92-93年(元禄5-6)ころ,朝鮮からの出漁が盛んとなったため,幕府は対馬藩主の宗氏を通じて出漁禁止を申し入れた。これに対し朝鮮では竹島は自国の領土であると主張し交渉は決裂した。なお1836年(天保7)発覚した浜田藩の竹島事件は,浜田松原浦の廻船問屋会津屋八右衛門が,当時竹島と呼ばれていた鬱陵島を基地としての密貿易であったといわれる。
執筆者:江面 龍雄 1904年9月25日の軍艦新高の航海日誌に〈独島〉がみえ,06年には鬱陵郡守の報告書に〈本部所属独島〉と記述された。一方,1904年9月,島根県民中井養三郎は〈リャンコ島領土編入並に貸下願〉を内・外・農商務大臣に提出した。05年1月28日の閣議はこれにこたえて〈本邦所属〉とし,政府訓令により2月22日島根県は告示第40号によりこの島を竹島とし,隠岐島司の所管とすることにし,土地台帳への掲載,漁業権者からの土地使用料の徴収などを行った。46年1月29日付のGHQ覚書により,日本から政治上,行政上分離する地域が指定されたが,竹島はこれに含まれ,かつ日本漁船の操業停止区域にも指定された。52年1月18日,李承晩ラインが設定されて独島がこのライン内に含まれたため,係争の原因がつくられた。日本の外務省は54年2月10日,口上書を韓国に送り,同島の経営が日本によってなされたこと,総司令部覚書が暫定的なものであることを主張したが,韓国側は10月28日不同意を通告,かつ灯台,無電台を建設し,官憲を常駐させ,独島戸籍を発行するようになった。65年の日韓基本条約および紛争解決に関する交換公文でもこの問題の解決は得られず,今日に至る。
執筆者:佐々木 隆爾
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…周辺山麓部には蒲郡ミカンが栽培され,おもに中京市場へ出荷される。府相町海岸の沖合約400mに竹島があり,八百富神社の社叢は天然記念物に指定されている。竹島は現在橋で本土と結ばれている。…
…鹿児島県薩摩半島南方海上40~50kmに点在する竹島,硫黄島(鬼界ヶ島),黒島の3島の総称。合計面積31.61km2。…
…人口513(1995)。薩摩半島南方40~50kmの海上にある口之三島(くちのみしま)(竹島,硫黄島,黒島)からなる。いずれも火山島で,なかでも硫黄島は常時噴煙を上げている。…
※「竹島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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