敷物の一種で,わら,イ(藺),菅(すげ),竹などを編んで作る。一般的にはわらむしろをいうが,織物製では〈綾むしろ〉〈絹むしろ〉〈氈(けむしろ)/(せん)〉などがある。また形により〈狭(さ)むしろ〉〈長むしろ〉〈小むしろ〉〈広むしろ〉などと区別した。わらむしろは,農家の板の間や土間に敷いたり,出入口に垂らし風雨よけなどに用いた。穀物の乾燥用などの農作業用や荷物の包装材料としても広く用いられる。〈かます(叺)〉はむしろを二つ折りにして左右の両端を縫い閉じたもので,肥料,石炭,塩,穀類などを入れた。むしろはむしろ機,筬(おさ),刺竹(さしだけ)などを用いて織る。筬の打ちおろし方でむしろの厚さを自由にすることができる。すべて手動で行うものから,わらを手で供給するほかは足踏みで行う方式のものへと変化するにつれ,むしろ織は農家の重要な副業となり自動むしろ織機も考案された。
→畳
執筆者:大島 暁雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…〈編み〉に機械的工夫を加えたものが〈織り〉だともいえよう。
【考古学からみた編物】
人類は古くから編物を利用していたらしく,考古学的には網,籠(バスケット類),蓆(莚)(むしろ),網代などが確かめられる。だが編物は素材が一般に有機質だから腐りやすく遺物として残りにくいため,絵画資料によるほかは多くの場合,粘土面への圧痕などによってわずかにその存在を知るか,または出土する石・土製の錘をもって編物細工用の錘具あるいは漁網用の錘とみて,それらの存在を間接的に推知したりするにとどまる。…
…すわる風習の場合には,すわりごこちを快適にするのが主目的であるが,椅子式の風習の場合には,室内を美化することと足ざわりを柔らかくするのが目的である。前者には,むしろ,ござ,畳,座布団などがあり,後者には,緞通(だんつう),絨毯(じゆうたん)(カーペット),ラッグやマットなどがある。カーペットは所定の場所に固定して敷きつめるもの,ラッグは暖炉の前などに飾りに敷いたりする小型で任意の場所に随時に用いられるもの,マットはだいたい粗末な材料で作ったもので,浴場の足ふき(バス・マット)や玄関の靴ふきなどに用いられる。…
※「筵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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