箕山の志（読み）キザンノココロザシ

デジタル大辞泉

箕山きざんの志こころざし

《尭帝が自分に位を譲ろうとするのを聞いた許由きょゆうが、それをことわり箕山に隠れ住んだという「晋書」向秀伝の故事から》世俗の名利をさけて操を守り通そうという志。隠遁いんとんの志。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

きざん【箕山】 の 志(こころざし)

(中国、伝説上の聖王帝堯が天下を譲ろうとしたのを断わって箕山に隠れ住んだといわれる許由や巣父の故事による) 高潔な隠遁の志をいう。〔曹丕‐又与呉質書〕

出典　精選版 日本国語大辞典

故事成語を知る辞典

箕山の志

世の中と妥協せず、隠いん遁とんして自分の生き方を貫こうとする気持ちのこと。

[由来] 「呂氏春秋―慎行論」などによって伝えられる、中国の伝説時代の隠者、許きょ由ゆうにまつわるエピソードから。伝説上の聖王、堯ぎょうは、許由が賢者だという評判を聞き、天下を譲ろうと申し出ます。しかし、許由はそれを断り、箕山（現在の河北省にある山）のふもとに隠れ住み、死ぬまで自分で田畑を耕して暮らしたということです。

〔異形〕箕山の節／箕山の操みさお。

出典　故事成語を知る辞典