デジタル大辞泉
「組手」の意味・読み・例文・類語
くみ‐て【組(み)手】
1 相撲で四つに組んだ状態。「組み手は左四つ」
2 柔道で、相手との組み方。特に、技を仕掛けるために相手の道着の襟と袖をつかむこと。「組み手争い」
3 空手や拳法で、相手と攻防の技を一連の形に示して行う練習形式。間合いや呼吸、洞察力の訓練などを目的とする。
4 空手の競技種目の一。互いに突き・蹴り・打ちなどの攻撃を行い、その優劣を競うもの。個人戦と団体戦があり、審判の採点によって勝敗が決まる。寸止めを原則とするが、相手に直接打撃を与える流派もある。→かた(形)8
5 建築で、部材と部材を組み合わせた部分。
6 組み打ちをする人。組みつく役。
「近国にならびなき大力なれば、―なるべし」〈古活字本平治・中〉
7 組糸を組むこと。また、組糸を組む人。
「糸屋の―」〈浮・鬼一法眼虎の巻・一〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
くみ‐て【組手】
〘名〙
① 組み打ちする人。取り組む相手。
※
平治(1220頃か)中「橘七五郎は、近国にならびなき大力なれば、組手なるべし」
③ 組み糸を組むこと。また、その人。
※浮世草子・浮世親仁形気(1720)二「家の
作法もみだれ糸の、組手
(クミテ)の女どもも存在
(ぞんざい)に成て」
④ 空手(からて)や拳法で、型の中にある攻防の技を実際に相対して行なう練習形式。間合い、勘、呼吸、目の訓練などを目的としたもの。
⑤ 相撲で四つ身になること。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉
常陸、梅の爛熟時代「四つに組んで暫く呼吸を合はせる間、組手
(クミテ)の差替などの小ぜり合があったが」
⑥
バレーボールで、両手を組み
手首のあたりでボールを受けてパスすること。組手パス。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の組手の言及
【指物】より
…指物の基礎的手法は,すでに正倉院の木工においておおむね行われており,その伝統は現在にも引き継がれている。指物における基本的手法には,矧手(はぎて),端喰(はしばみ)(端嵌(はしばめ)),留(とめ),組手(くみて)などがある。矧手は主として所要の幅をうるための板材のはぎ合せ法で,芋付(いもつけ)(胴付矧(どうづけはぎ))と斜付(ななめつけ)は,ともに補強のために太枘(だぼ)あるいは空木(うつぎ),竹釘を挿入し,千切(ちぎり)を嵌入することもある。…
※「組手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」