デジタル大辞泉 「総動脈幹症」の意味・読み・例文・類語
そうどうみゃくかん‐しょう〔‐シヤウ〕【総動脈幹症】
[補説]本来、心臓では、全身から戻ってきた血液(静脈血)が上大静脈・下大静脈から右心房に入り、右心室から肺動脈を通して肺へ送り出されると同時に、肺で酸素を十分に取り込んだ血液(動脈血)が肺静脈から左心房に入り、左心室から大動脈を通して全身へ送り出される。総動脈幹症の場合、肺に送り出される酸素の少ない静脈血と酸素の多い動脈血が、ともに総動脈幹に送り出されて混ざるため、全身に十分な酸素が供給されず、また、左心室は右心室より高い圧力で血液を全身に送り出しているため、肺にも通常より高い圧力で過剰な血液が送り出されることにより、心不全・呼吸不全を起こす。人工血管等で右心室と肺動脈をつなぐ手術を行う。