纏綿(読み)テンメン

デジタル大辞泉 「纏綿」の意味・読み・例文・類語

てん‐めん【×纏綿】

[名](スル)
からみつくこと。「つたが木に纏綿する」「選手移籍纏綿する問題
複雑に入り組んでいること。
「其娘さんはある―した事情のために」〈漱石行人
[ト・タル][文][形動タリ]心にまつわりついて離れないさま。「情緒纏綿として去りがたい」
人生に対する透徹なる批判と、―たる執着と」〈倉田愛と認識との出発

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精選版 日本国語大辞典 「纏綿」の意味・読み・例文・類語

てん‐めん【纏綿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 物がまつわりつくこと。からみつくこと。
    1. [初出の実例]「赤松計会新来客、玄草纏綿旧著衣」(出典:菅家文草(900頃)五・徐公酔臥詩)
    2. 「其の大いなる影の冥想の間に纏綿して」(出典:続々金色夜叉(1899‐1902)〈尾崎紅葉〉二)
  3. ( 形動タリ ) 情緒が深く離れがたいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「筆亦繊細而潤。纏綿不浮」(出典随筆山中人饒舌(1813)下)
    2. 「然るに纏綿(テンメン)たる哀傷の心切にして」(出典:珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉告白)
    3. [その他の文献]〔潘岳‐西征賦〕
  4. ( 形動タリ ) 話などが、いつ終わるともなく続くこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「呵毫写幽衷、纏綿字五百」(出典:篁園全集(1844)三・歳暮書懐)

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普及版 字通 「纏綿」の読み・字形・画数・意味

【纏綿】てんめん

心にまとう。晋・陸機〔魏の武帝を弔ふ文〕の纏綿たるを惜しみ、末命詳を恨む。

字通「纏」の項目を見る

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