羅紗(読み)ラシャ

デジタル大辞泉 「羅紗」の意味・読み・例文・類語

ラシャ【羅紗】

紡毛を密に織って起毛させた、厚地毛織物。室町末期ごろに輸入され、陣羽織火事羽織、のち軍服・コート地などに使われた。

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精選版 日本国語大辞典 「羅紗」の意味・読み・例文・類語

ラシャ【羅紗】

〘名〙 (raxa) 紡毛織物一種縮絨(しゅくじゅう)し毛羽(けば)をたてた、織目が現われない厚地のもの。古くは陣羽織火事装束、羽織、合羽(かっぱ)など防雨・防寒用。
梅津政景日記‐元和三年(1617)九月二一日「らしやのとうふく壱つ」

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百科事典マイペディア 「羅紗」の意味・わかりやすい解説

羅紗【らしゃ】

厚地の紡毛織物の総称。16世紀中ごろ南蛮貿易によりもたらされた毛織物でポルトガル語のラーシャraxaの転訛という。組織は平織綾織繻子(しゅす)織などあり,縮充,起毛,毛刈りをして仕上げるので表面フェルト化している。無地霜降が多く,毛玉を作って仕上げた玉羅紗もある。保温性に富み男子服,コート,敷物などにする。
→関連項目縮充

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「羅紗」の意味・わかりやすい解説

羅紗
らしゃ
raxa ポルトガル語

厚手の紡毛織物の一種。経緯(たてよこ)とも紡毛糸を用い、製織後に起毛、縮絨(しゅくじゅう)、剪毛(せんもう)した地厚い毛織物である。黒、紺色の無地物が多く、古くは陣羽織、明治以降はオーバー地や軍隊用コート地など防寒服地として使われた。語源はポルトガル語のラーシャ(毛織物の意味)から。

[並木 覚]

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普及版 字通 「羅紗」の読み・字形・画数・意味

【羅紗】らしや

厚い織物、らしゃ。

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