普及版 字通 「聴(漢字)」の読み・字形・画数・意味
聴
常用漢字 17画
(旧字)聽
人名用漢字 22画
[字訓] きく・おさめる・ゆるす・まかせる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
旧字は聽に作り、耳+(てい)+(徳)の旁(つくり)。は人の挺立する形。挺立する人の上に、大きな耳を加え、耳の聡明なことを示す。聡明の徳をいう字。金文には耳と(さい)(祝詞の器の形)とに従う字があり、神に祈り、神の声を聞きうることをいう。(聖)は、聽の字のに代えて、を加えたもの。神の声を聴きうる者をという。〔説文〕十二上に「聆(き)くなり」とし、声とするが、は人の挺立する形で、声ではない。神の声を聴きうるものがであり、その徳を聽といった。はおおむね神瞽(しんこ)であった。
[訓義]
1. きく、神の声をきく、ききとる。
2. ききおさめる、うける、したがう、ゆるす、まかせる。
3. さだめる、おさめる、さばく。
4. 庁と通じ、役所。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕聽 キク・ユルス・コトハル・ウケタマハル 〔字鏡集〕聽 ユルス・キク・ウケタマハル・コトハル・タツ
[語系]
聽・廳(庁)thyengは同声。(廷)dyengは廳と声義近く、その金文の字形は、中廷の土主に鬯酒(ちようしゆ)(におい酒)を(そそ)いで神霊をよび降す鬯(かんちよう)の儀礼を示す。神を降して、そこで神の声を聴き、神意を察して政治を行った。そのことを聽・(聡)といい、その所を廳という。tsong、sjiengもまた、そのことと関係のある語である。
[熟語]
聴允▶・聴雨▶・聴▶・聴瑩▶・聴覚▶・聴許▶・聴決▶・聴言▶・聴侯▶・聴講▶・聴獄▶・聴罪▶・聴察▶・聴視▶・聴事▶・聴失▶・聴者▶・聴取▶・聴受▶・聴衆▶・聴従▶・聴順▶・聴訟▶・聴松▶・聴政▶・聴雪▶・聴説▶・聴断▶・聴治▶・聴朝▶・聴徹▶・聴濤▶・聴任▶・聴納▶・聴冰▶・聴聞▶・聴命▶・聴用▶・聴容▶・聴覧▶・聴聆▶
[下接語]
玩聴・凝聴・謹聴・敬聴・傾聴・公聴・細聴・視聴・上聴・信聴・聖聴・静聴・側聴・諦聴・天聴・難聴・拝聴・俯聴・風聴・傍聴・妄聴・夜聴・来聴・覧聴
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報