胆汁質(読み)タンジュウシツ(その他表記)choleric

翻訳|choleric

デジタル大辞泉 「胆汁質」の意味・読み・例文・類語

たんじゅう‐しつ〔タンジフ‐〕【胆汁質】

ヒポクラテス体液説に基づく気質の4分類の一。激情的で怒りっぽく攻撃的な気質。胆液質。→黒胆汁質多血質粘液質

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「胆汁質」の意味・読み・例文・類語

たんじゅう‐しつタンジフ‥【胆汁質】

  1. 〘 名詞 〙 古代ギリシアの医学者ヒポクラテス以来の気質分類の一つ。情動反応が強く激しく怒りやすい性格をいう。胆液質。
    1. [初出の実例]「所謂胆汁質(タンジフシツ)人間が、第一忍耐の力が強い」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙一一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「胆汁質」の意味・わかりやすい解説

胆汁質
たんじゅうしつ
choleric

ギリシア時代の四(よん)体液説に関係づけて分類された四(よん)気質の一種で、現在次のように考えられている。気が短くて怒りっぽく、攻撃的である。また、活動的、精力的で行動に移りやすいが、衝動的で、移り気な面をもつ。不安定な外向性に相応する。

[浅井邦二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の胆汁質の言及

【気質】より

…気質を表す英語temperamentなどの西欧語は語源的に〈ほどよく混ぜ合わせる〉という意味のラテン語temperareに由来しているが,これは,ヒッポクラテス以来,人間の性格類型を血液・胆汁・黒胆汁・粘液という4種の体液の混合のぐあいから考えたためである。このうち,血液が優勢ならば,陽気で快活な〈多血質sanguine〉が,胆汁が優勢ならば,短気で興奮しやすい〈胆汁質choleric〉が,黒胆汁が優勢ならば,陰気で憂鬱(ゆううつ)な〈黒胆汁質melancholic〉が,また粘液が優勢なら,鈍感で冷血な〈粘液質phlegmatic〉がそれぞれ生ずると信じられた。このいわゆる四性論(四体液説)は,こんにちの目からみれば,科学的根拠を欠く空想の産物にすぎないが,体液病理学を医学の基本とみなした古代ギリシア・ローマ期に広く行きわたったばかりか,ルネサンス期を経て,近代医学の成立する19世紀まで受け継がれ,下記のクレッチマーの気質論にも多少の影響をおよぼした節がある。…

※「胆汁質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android