胸壁(読み)きょうへき

精選版 日本国語大辞典 「胸壁」の意味・読み・例文・類語

きょう‐へき【胸壁】

〘名〙
① 敵の弾丸を防ぐために、土などを散兵壕の敵方に積み上げたもの。胸牆(きょうしょう)
※兵士懐中便覧(1868)〈福沢諭吉訳〉「土堤は以て敵兵の弾丸を防ぎ、且其土を掻揚たる跡も自から隍(ほり)となりて防禦の助となす可し、斯く築きたる土堤を胸壁(キョウヘキ)と名く」
② とりで。要塞(ようさい)
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「政府は(キョウヘキ)を築き大砲を備へて」
③ 建物で、屋上の周囲、ベランダなどに設けた欄干状の壁。
※いのち短し(1958)〈井上友一郎〉サンセット・ポイント「しょんぼりと見晴し台の胸壁の前に立って」
④ 鉄道、道路などを通すために切り取ったあとの断崖が、風雨に洗われて浸食されるのを防ぐために設けた壁体。
⑤ (内臓に対して)胸部外壁
ブルジョア(1930)〈芹沢光治良〉一「悪い左肺の胸壁と肺臓の間に、空気を送って、肺臓の活動を弱め」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「胸壁」の意味・読み・例文・類語

きょう‐へき【胸壁】

胸牆きょうしょう」に同じ。
とりで。要塞ようさい
屋上などにめぐらす欄干状の壁。
河川海岸の堤防上、橋台背面などに設けて、波浪土砂崩れなどを防ぐ壁体。
胸部の外壁。
バットレス
[類語](3白壁白亜粗壁なまこ壁城壁塁壁防壁外壁内壁障壁隔壁壁面/(5胸部胸腔きょうこう胸郭きょうかく胸板むないた胸間きょうかん胸元むなもと胸先むなさき胸倉むなぐらふところバストチェスト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「胸壁」の読み・字形・画数・意味

【胸壁】きようへき

胸骨

字通「胸」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android