脂腺(読み)シセン

デジタル大辞泉 「脂腺」の意味・読み・例文・類語

し‐せん【脂腺】

皮脂腺ひしせん

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精選版 日本国語大辞典 「脂腺」の意味・読み・例文・類語

し‐せん【脂腺】

  1. 〘 名詞 〙ひしせん(皮脂腺)〔解剖辞書(1875)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「脂腺」の意味・わかりやすい解説

脂腺
しせん

脂肪滴を産生する腺。全身の皮膚の真皮(表皮の下の組織)内に存在するため、皮脂腺ともいう。脂腺では原則として導管が毛包(毛根を包んでいる嚢状(のうじょう)物)の上部に開口する。毛のない陰茎亀頭(きとう)、陰核、小陰唇、乳頭、口唇などでは重層扁平(へんぺい)上皮の表面に導管が直接開口する。包皮にある包皮腺肛門(こうもん)付近の肛門腺はいずれも脂腺である。脂肪滴を産生する分泌細胞の集団部である腺房はあまり腺腔(せんくう)が明らかでないが、細胞形質内に脂肪滴が充満すると細胞核は萎縮(いしゅく)し、細胞全体が腺房から分離し、壊れて分泌物に変わる。このように細胞全体が破壊されて分泌物となる分泌様式を全分泌(ホロクリン分泌)とよぶ。毛包から出た分泌物は皮脂として、死滅した細胞の遺残物とともに表皮の表面に出る。分泌物は脂質に富み、トリグリセリドの脂肪酸、コレステロールとそのエステル化合物などを含む混合物である。脂腺の分泌現象は絶えず連続的に行われているため、皮膚の汚染や脂腺開口部の排泄(はいせつ)障害などでは「にきび」を生じたりする。なお、水鳥尾腺(びせん)は一種の脂腺で、羽の防水役割をしている。

[嶋井和世]


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百科事典マイペディア 「脂腺」の意味・わかりやすい解説

脂腺【しせん】

皮脂腺

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栄養・生化学辞典 「脂腺」の解説

脂腺

 →皮脂腺

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世界大百科事典(旧版)内の脂腺の言及

【外分泌腺】より

…外分泌とは生物が体の内外表面へ生存上有用な物質を分泌することで,体液中へ分泌を行う内分泌と区別される。外分泌腺には,たとえば,唾液(だえき)腺・胃腺・汗腺・乳腺・涙腺・皮脂腺・毒腺・麝香(じやこう)腺・塩類腺・絹糸腺などさまざまな種類のものがある。 外分泌腺はいずれも,腺上皮が上皮からずれて結合組織内に陥入してつくられる腺体と,分泌物を導出するための道管とからなる。…

【腺】より

…(2)粘液腺 粘液を分泌する粘液腺mucous glandは,口腔,鼻腔,咽頭,気管,気管支,消化管など至るところにみられる。(3)脂腺 皮脂腺のように脂質を分泌する腺を脂腺sebaceous glandという。副腎皮質や睾丸(精巣),卵巣の内分泌細胞はステロイドホルモンを分泌するが,これも広義の脂腺ということができる。…

【皮脂腺】より

…哺乳類の外分泌腺の一種で,単に脂腺とも呼ばれる。毛に付随してほとんど全身の皮膚に分布し,脂肪酸やコレステロールなどを含む脂肪様の物質(皮脂)を分泌し,毛や皮膚をうるおし,乾燥をふせいでいる。…

※「脂腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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