腺腫(読み)センシュ

デジタル大辞泉 「腺腫」の意味・読み・例文・類語

せん‐しゅ【腺腫】

分泌腺細胞が増殖してできる良性腫瘍しゅよう甲状腺胃腸などに生じる。アデノーマ

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精選版 日本国語大辞典 「腺腫」の意味・読み・例文・類語

せん‐しゅ【腺腫】

  1. 〘 名詞 〙 生物体内にあって分泌作用を営む器官である腺の細胞が増殖してできる良性腫瘍(しゅよう)多くは胃腸、子宮粘膜に生じる。〔厚生新編(1811‐39頃)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「腺腫」の意味・わかりやすい解説

腺腫
せんしゅ

乳頭腫とともに良性の上皮性腫瘍(しゅよう)の群に属する腫瘍で、胃、腸管、乳腺卵巣、甲状腺などにしばしば発生する。肉眼的には臓器などの内部に発生する結節状のもの、および粘膜の表面に発生するポリープ状のものがある。組織学的には腺管構造の形によって管状腺腫、腺房状腺腫、濾胞(ろほう)状腺腫に分類され、腺管内の分泌物の性状によって漿液(しょうえき)性腺腫、膠質(こうしつ)性腺腫、偽粘液性腺腫などに区別するのが常である。また、分泌物の貯留が高度で腺管が拡大した状態のものを嚢胞(のうほう)腺腫、腫瘍細胞が腺腔(せんくう)内に向かって乳頭状に増殖しているものを乳頭状腺腫とよぶ。さらに乳腺に発生する腺腫では、基質である結合織の増殖も著明であることが多く、とくに線維腺腫とよばれるが、これはさらに、結合織が腺管を取り巻いて増殖する型(管周囲性線維腺腫)と、腺管の腔内に向かって結合織が増殖する型(管内性線維腺腫)とに分けられる。

渡辺 裕]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腺腫」の意味・わかりやすい解説

腺腫
せんしゅ
adenoma

アデノーマともいう。腺上皮細胞から発生する腫瘍で,一般に良性のもの。甲状腺や乳腺に最もよくみられ,被膜でおおわれた球状結節を示すことが多いが,真の腫瘍かどうかを問題にする学者もある。過形成との区別は被膜があるか否かによる。

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世界大百科事典(旧版)内の腺腫の言及

【癌】より

…皮膚や食道など扁平上皮領域からは扁平上皮癌が,消化管の円柱上皮や腺上皮からは腺癌が,膀胱の移行上皮からは移行上皮癌が生じる。対応する良性腫瘍は,乳頭腫(扁平上皮腫というべきところであるが乳頭腫が慣用されている)や腺腫である。肉腫のほうも,筋肉腫,骨肉腫,血管肉腫,脂肪肉腫等々と分類する。…

【腸管ポリープ】より

…したがって,組織像が明確となった時点でそれぞれの名称で呼ばれる。良性非上皮性腫瘍は一般に粘膜下腫瘍といい,良性上皮性腫瘍は腺腫と呼ばれる。ポリープはこの腺腫であることが多いので,ポリープの別称のように使われたことがあった。…

※「腺腫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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