色無(読み)いろなし

精選版 日本国語大辞典 「色無」の意味・読み・例文・類語

いろ‐なし【色無】

〘名〙
① 色がないこと。また、そのもの。特に能楽で、その使用する装束、持ち物、大道具などで赤色の全く用いられていないもの。女性の場合、普通、中年からは色無しを用いる。⇔色入り。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 色を売ることなしに、芸だけを売ること。また、その芸妓
※洒落本・月花余情(1746)江南妓邑記「有芸子、弾三味線、而佐酒、年紀略限于二八前後、絶不寝席、因又称無色(イロナシ)

いろ‐な・い【色無】

〘形口〙 いろな・し 〘形ク〙 (色艷、情、趣などの意の「いろ」に、「無し」がついて一語化したもの)
① はなやかな色どりがない。
申楽談儀(1430)能の色どり「隅田河の能、あまりに初めはいろなき能なれば、此旅人などには、大口(おほくち)を着てもよかるべし」
情味がなく冷淡である。誠意がない。
※日葡辞書(1603‐04)「Ironai(イロナイ) ヒト。すなわち、スゲナイヒト〈訳〉冷淡な、または、粗暴な人」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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