若男(読み)ワカオトコ

デジタル大辞泉 「若男」の意味・読み・例文・類語

わか‐おとこ〔‐をとこ〕【若男】

能面の一。若い男を表す。「女郎花おみなめし」「歌占」などに用いる。
文楽人形かしらの一。前髪のある若衆を表す。眉目秀麗で、「本朝廿四孝ほんちょうにじゅうしこう」の勝頼などに用いる。
年の若い男。
「まだ―なりける時に」〈大和・一一一〉

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精選版 日本国語大辞典 「若男」の意味・読み・例文・類語

わか‐おとこ‥をとこ【若男】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 年の若い男。わかおのこ。
    1. [初出の実例]「備前守さねあきらまだわかおとこなりける時になむ、初の男にしたりける」(出典:大和物語(947‐957頃)一一一)
  3. 能面の一つ。若い男の面。「松虫(まつむし)」「女郎花(おみなえし)」などに用いる。
    1. 若男<b>②</b>
      若男
  4. 年男(としおとこ)異称。役男。《 季語・新年 》 〔俳諧・季引席用集(1818)〕
  5. 人形浄瑠璃で用いる人形の頭(かしら)。前髪のある若衆役に用い、描き眉、白塗りで、目の動きがなく、口もとが女性的なもの。

じゃく‐なん【若男】

  1. 〘 名詞 〙 年の若い男。若者
    1. [初出の実例]「ヒカリノ ウチニ ハクエヲ チャクシタル イツクシキ jacunan(ジャクナン) コノ ベアトノ ソバニ ミエタマウナリ」(出典サントスの御作業の内抜書(1591)二)

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世界大百科事典(旧版)内の若男の言及

【年男】より

…正月を中心とした行事の主役を演ずる男。若男(わかおとこ),節男(せちおとこ)ともいう。家長を原則として,長男,奉公人があたるが,東日本の諸地域がとくに厳重で,西日本には女性が主役となる地域もある。…

※「若男」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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