デジタル大辞泉
「草薙」の意味・読み・例文・類語
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くさ‐なぎ【草薙】
[1] 〘名〙
刃物で、草をなぎ払うこと。また、草をなぎ払うようにほろぼしつくすこと。
※
謡曲・笠卒都婆(1430頃)「炎は剣
(つるぎ)の雨と降って、
春日野の草薙や、
村雨の剣もかくやらんと」 〔
韓愈‐送鄭尚書序〕
[2]
※東関紀行(1242頃)株瀬川より
熱田「此宮の本体は、草薙と号し奉る神剣なり」
[二] 静岡市
清水区南部の地名。
有度山(うどやま)の北斜面にあたり、
日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のとき火攻めにあい、天叢雲剣
(あめのむらくものつるぎ)で草を薙ぎ、難を免れた地と伝えられる。
[三] 謡曲。四番目物。
宝生流。作者不詳。古名「
草薙剣(くさなぎのつるぎ)」。
熱田神宮に参籠している恵心僧都
(えしんそうず)に、毎日
草花を持ってくる花売りの夫婦がいて、自分たちはこの社にいて草薙の神剣を守っている神であると僧都につげて消える。やがて、日本武尊と橘姫
(たちばなひめ)の
神霊が現われて、草薙の神剣で東夷
(とうい)を征伐したことを語るという
筋立て。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
草薙
くさなぎ
静岡市清水区(しみずく)南西部の地区。有度山(うどやま)北麓(ほくろく)に位置する。地名は日本武尊(やまとたけるのみこと)が野火の難にあい、草を薙ぎ払って難を逃れたという『日本書紀』『古事記』の伝承に基づく。地区内に延喜(えんぎ)式内社で、祭神を日本武尊とする草薙神社がある。JR東海道本線、静岡鉄道、国道1号が通じる。
[川崎文昭]
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草薙
くさなぎ
静岡県中部,静岡市清水の集落。旧有度村の地域。有度山の北麓にあり,茶園が多い。地名は草薙剣の伝説に由来する。 1926年東海道本線草薙駅が開設され,現在は住宅・工業地となっている。日本武尊 (やまとたけるのみこと) をまつる草薙神社がある。
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