出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
双晶あるいは結晶成長の段階で擬六方柱状をなす鉱物。新鮮なものは劈開(へきかい)がないが、やや変質すると底面に平行な裂開がよく発達することがある。変質して緑泥石や白雲母(しろうんも)などになる。日本で桜石といわれるものがこれにあたる。新鮮で透明な結晶を光にかざしてみると、菫(すみれ)色からすこし黄色みを帯びた青色まで変化する。これは多色性が肉眼で観察できる一つの例で、二色石という別名がある。高温で生成されると六方晶系のインド石indialiteになる。泥質岩起源のホルンフェルス、片麻岩、結晶片岩、安山岩、玄武岩などに産する。鉄の多い鉄菫青石sekaninaiteは花崗(かこう)岩ペグマタイト、熱水鉱脈中に産する。英名はフランスの鉱山技師コルディエPierre L. Cordier(1777―1861)にちなむ。
[松原 聰]
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