菱山修三(読み)ひしやましゅうぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菱山修三」の意味・わかりやすい解説

菱山修三
ひしやましゅうぞう
(1909―1967)

詩人。東京に生まれる。本名本居雷章。東京外国語学校(現東京外国語大学)仏語科卒業。外語仏語文化会の縁で堀口大学に知られ『オルフェオン』に詩を発表。また逸見猶吉(へんみゆうきち)と知り『歴程』(1935)創刊の同人となる。第一詩集懸崖(けんがい)』(1931)は「私は遅刻する。世の中の鐘がなつてしまつたあとで、私は到着する。私は既に負傷してゐる。……」(「夜明け」)のように、内省的な批評精神を散文詩形に託したもので、八冊の詩集のほか、評論集、バレリー翻訳などがある。

[角田敏郎]

『『菱山修三全詩集』全二巻(1979・思潮社)』『大岡信著『菱山修三』(『現代詩鑑賞講座8』所収・1969・角川書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「菱山修三」の解説

菱山修三 ひしやま-しゅうぞう

1909-1967 昭和時代の詩人。
明治42年8月28日生まれ。東京外国語学校(現東京外大)在学中から堀口大学に師事。バレリーの影響をうけ,昭和6年第1詩集「懸崖(けんがい)」を刊行。「歴程」創刊同人。「ヴァレリー全詩集」などの翻訳がある。昭和42年8月7日死去。57歳。東京出身。本名は本居(もとおり)雷章。詩集に「荒地」「望郷」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菱山修三」の意味・わかりやすい解説

菱山修三
ひしやましゅうぞう

[生]1909.8.28. 東京
[没]1967.8.7.
詩人。本名,本居雷章。東京外国語学校仏文科卒業。在学中から堀口大学に師事して堀口編集の詩誌『オルフェオン』に寄稿,その後北川冬彦の詩誌『時間』『詩・現実』に参加,処女詩集『懸崖』 (1931) で詩壇に認められた。ほかに『荒地』 (37) ,『夢の女』 (48) など。

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