日本大百科全書(ニッポニカ) 「落合英二」の意味・わかりやすい解説
落合英二
おちあいえいじ
(1898―1974)
薬学者。師範学校長を父に、栃木県に生まれる。東京帝国大学卒業。近藤平三郎に師事し、オオツヅラフジのアルカロイド、シノメニンの構造研究で薬学博士。ドイツ、フライブルク大学のシュタウディンガーに高分子を、ファイファーRichard F. J. Pfeiffer(1858―1945)に有機金属錯体を学んだ。東京帝国大学教授となり近藤平三郎の薬化学講座を継承した。
アルカロイド研究に関連する芳香異項環研究により1944年(昭和19)帝国学士院賞受賞。とくにN‐オキサイドの研究は異項環化学の分野で多くの新化学反応を開発し、合成化学の面で大きく貢献した。また優れた天然物化学者でもあった。1969年(昭和44)文化勲章受章。東京大学名誉教授、学士院会員、日本薬学会頭、日本、ドイツ、アメリカ薬学会名誉会員。
[根本曽代子]