葷酒(読み)クンシュ

デジタル大辞泉 「葷酒」の意味・読み・例文・類語

くん‐しゅ【×葷酒】

臭気の強いネギニラなどの野菜と酒。また、それらを飲食すること。

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精選版 日本国語大辞典 「葷酒」の意味・読み・例文・類語

くん‐しゅ【葷酒】

  1. 〘 名詞 〙 においの強いニラ、ネギ、ニンニクなどの野菜と酒。また、それを飲食すること。
    1. [初出の実例]「曹洞、黄檗は猶其の遺法に依りて、葷酒の禁牌も厳重にて」(出典:蛻巖先生答問書(1751‐64か)中)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「葷酒」の意味・わかりやすい解説

葷酒
くんしゅ

辛味や臭味のある野菜と酒。葷は五葷、五辛(ごしん)ともいい、ニラ、ネギ、ニンニク、ラッキョウショウガの類。その臭気や、それを食べることによって生ずる色欲や怒りの心を避けるため、仏教では食べることが禁じられた。中国、日本では鳥獣魚肉などをも意味する。酒は他を乱し自分の心を見失わせるので、病気などのほかは修行者が飲むことは禁止された。禅院や律院では、山門の前に「不許葷酒入山門」(葷酒山門に入るを許さず)の石碑戒壇石、禁牌(きんぱい)石、結界(けっかい)石ともいう)を建てて、僧侶(そうりょ)が葷酒を食するのを戒める。

[石川力山]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「葷酒」の意味・わかりやすい解説

葷酒
くんしゅ

仏教用語。葷と酒のこと。葷とはねぎの類に属する植物をいい,これらは刺激性が強く臭気があるため,酒と同様に仏教の出家修行者には禁じられている。

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