デジタル大辞泉
「薄氷」の意味・読み・例文・類語
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うす‐ごおり ‥ごほり【薄氷】
〘名〙
※
源氏(1001‐14頃)
賢木「とけわたるいけのうすごほり」
②
模様の名。氷のひびのはいった
様子を図案化したもの。
うすら‐ひ【薄氷】
〘名〙 (古くは「うすらび」) うすくはった氷。うすいこおり。うすごおり。はくひょう。《季・冬‐春》
※
万葉(8C後)二〇・四四七八「
佐保川に凍り渡れる宇須良婢
(ウスラビ)のうすき心をわが思はなくに」
[補注]春の歌、句の中に「うすらひ」が用いられている例は「康資王母集」の「浅緑はるのうすらひとくるより結びかへたる
青柳のいと」、
俳諧「
猿蓑‐四」の「うすらひやわづかに咲
(さけ)る芹の花〈
其角〉」などかなりあり、
現代では「うすらひ・うすごおり」は春の
季語とされる。「うすらひ」は「うすらい」と読まれることが多い。
はく‐ひょう【薄氷】
〘名〙 薄く張った氷。うすごおり。〔運歩色葉(1548)〕 〔束晳‐集語〕
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薄氷
うすごおり
富山県小矢部(おやべ)市石動(いするぎ)の名菓。1752年(宝暦2)、五郎丸屋薄氷本舗5代目の渡辺八左衛門の創作で、厚さ2ミリメートルほどの、色も形も薄氷のような干菓子。前田家から徳川将軍家への献上菓子であった。糯米(もちごめ)粉で薄く大きな生地をつくり、生地の両面に卵と和三盆で製した練り砂糖をはき、生地に少々湿りの入ったころに包丁を入れる。薄氷がぱりんと割れたような不定型に裁ち切り、35℃の熱処理によって半日がかりで干菓子に仕上げる。なお、名古屋市の名舗亀末広(かめすえひろ)では、12月から2月まで、冬の季節菓子として「うすらひ」という生菓子をつくる。菓子の上下に薄氷の風情を表現し、アズキの漉し餡(こしあん)を挟んだ典雅な菓子である。
[沢 史生]
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普及版 字通
「薄氷」の読み・字形・画数・意味
【薄氷】はくひよう
うす氷。〔詩、小雅、小旻〕戰戰兢兢(きやうきやう)として 深淵に臨むが如く 冰を履(ふ)むが如し字通「薄」の項目を見る。
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薄氷(うすごおり)
富山県小矢部市、五郎丸屋が製造・販売する銘菓。富山特産の新大正米を精製した薄い煎餅種に和三盆糖を塗布したもの。口の中に入れると薄氷が溶ける様に溶ける。
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