デジタル大辞泉
「蘭」の意味・読み・例文・類語
らに【×蘭】
《「らん」の撥音「ん」を「に」と表記したもの》フジバカマの古名。
「―の花のいとおもしろきを持給へりけるを」〈源・藤袴〉
あららぎ【×蘭】
1 イチイの別名。
2 ノビルの古名。
「一根の―を採りて」〈北野本允恭紀〉
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らん【蘭】
[1] 〘名〙
① ラン科の植物の総称。世界中に約二万種、日本にはシュンラン・カンラン・
シラン・
セッコクなど二〇〇種近くが知られる。花は独特な形態をしていて美しいものが多く、観賞用に栽培される。→
蘭科。
※俳諧・野ざらし紀行(1685‐86頃)「蘭の香やてふの翅(つばさ)にたき物す」
※能因歌枕(11C中)「ふぢばかまとは、らんを云」 〔易経‐繋辞上〕
③ 植物、蘭(あららぎ)をいう。
※太平記(14C後)一二「去仁和の比、
讚州の任に下給しには、甘寧が錦の纜
(ともづな)を解き、蘭
(ラン)の橈
(さを)・桂の檝、舷
(ふなばた)を南海の月に敲きしに」
④ 紋所の名。①の花を一つあるいはいくつかを組み合わせて図案化したもの。三つ蘭の丸、向い蘭菱、蘭の花などがある。
⑤ (オランダの服の意から) 江戸の芝居仲間の通言で、着物をいう。
※洒落本・品川楊枝(1799)「『ぬしゃア芝居の事がくはしひから芝居のふちゃうを咄しねへ』『ちっと斗り咄しやせふ〈略〉きものを「らん」帯を「ぐる」餠を「孫兵衛」』」
※
蘭学階梯(1783)例言「其国都て七州、総称してネヰデルランドと云ふ。和蘭は其一なり、吾が輩単へに蘭と唱へ」
[語誌]中国では、古くは「蘭」はキク科の香草で、多く「菊」と対で詠まれる。香嚢にして身につける蘭を「芷蘭(しらん)」といい、「芷蘭」は「蘭」の美称ともなった。「蘭」「芷蘭」ともに字音語でも行なわれた。日本でも上代から例がみられるが、総じて香りの高い植物をいったもので、種類を特定しにくい。
あららぎ【蘭】
〘名〙
※
書紀(720)允恭二年二月(図書寮本訓)「圧乞
(いで)、戸母
(とじ)、其の蘭
(アララキ)一茎
(ひともと)」
※至宝抄(寛永一一年本)(1634)「はつ秋〈略〉蘭(アララキ)」
▼あららぎの実《季・秋》
らに【蘭】
〘名〙
※
躬恒集(924頃)「らに あき風にかをのみそふる花なればにほふからにぞ
ひとにつまるる」
② 「らん(蘭)①」の変化した語。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
らん【蘭】
鹿児島の芋焼酎。従来不可能といわれていた芋麹を用いた純芋焼酎。白麹仕込みと黒麹仕込みがある。原料はコガネセンガン、芋麹。アルコール度数25%。蔵元の「黄金酒造」は昭和24年(1949)創業。所在地は霧島市国分敷根。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
蘭〔焼酎〕
鹿児島県、アットスター株式会社が製造・販売する焼酎。芋と芋麹を使用した全芋焼酎。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
蘭 (フジバカマ)
学名:Eupatorium fortunei
植物。キク科の多年草,園芸植物,薬用植物
蘭 (アララギ)
植物。イチイ科の常緑針葉高木,園芸植物,薬用植物。イチイの別称
蘭 (アララギ)
植物。ユリ科の多年草,高山植物。ギョウジャニンニクの別称
蘭 (ラン)
蘭 (アララギ・ラン)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報