行橋(市)(読み)ゆくはし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「行橋(市)」の意味・わかりやすい解説

行橋(市)
ゆくはし

福岡県北東部にある市。1954年(昭和29)行橋町が蓑島(みのしま)、今元(いまもと)、仲津(なかつ)、泉、椿市(つばきいち)、今川稗田(ひえだ)、延永(のぶなが)の8村と合併して市制施行。1955年祓郷(はらいごう)村の一部を編入。長峡(ながお)、今、祓などの中小河川が形成した沖積低地が大半を占め、南東部に新田原(しんでんばる)の洪積台地、北西部に平尾台(ひらおだい)のカルスト台地があり、東は周防灘(すおうなだ)に臨む。蓑島は陸繋島(りくけいとう)。JR日豊本線(にっぽうほんせん)、国道10号が南北に通じ、平成筑豊鉄道(へいせいちくほうてつどう)、国道201号、496号を分岐。中心市街地の行橋は、宿場町の行事(ぎょうじ)と市場町の大橋(おおはし)が合併したもので、現在も京都(みやこ)地方の経済の中心である。主産業は農業で、米のほか、キャベツ、ハクサイダイコンなどの野菜を産し、新田原ではブドウ、モモ、イチジク、ナシなどの果樹栽培が盛んである。カキ・ノリ養殖や小型底引網を中心とする漁業や、安川電機、岡野バルブなどに代表される電機・金属工業も行われているが、北九州市への通勤者が多く、衛星都市的性格も強い。見どころとして国指定史跡の御所ヶ谷神籠石(ごしょがたにこうごいし)、幕末私塾の仏山(ぶつざん)塾(水哉園(すいさいえん))跡、今井祇園(ぎおん)の須佐(すさ)神社などがあり、白砂青松長井(ながい)浜や蓑島は海水浴潮干狩でにぎわう。南東端には航空自衛隊築城飛行場(こうくうじえいたいついきひこうじょう)がある。面積70.06平方キロメートル、人口7万1426(2020)。

[石黒正紀]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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