袋河原村(読み)ふくろがわらむら

日本歴史地名大系 「袋河原村」の解説

袋河原村
ふくろがわらむら

[現在地名]河原町袋河原

北流する千代川西岸、布袋ほてい村の南にある。智頭ちず街道が村内を南北に通り、人家は街道に沿って並ぶ。大己貴命が八上姫を娶るため因幡を訪れた際、背負っていた袋を当地の河原に捨てたのが村名由来とされ(因幡志)一説に千代川流路の変遷によって川筋の間にできた袋状地形にちなむともいう(河原町誌)。慶長一〇年(一六〇五)気多郡高草郡郷帳に当地周辺の布袋長瀬ながせなどの名がみえるのに対して袋河原の名はみえず、産土神も当初は対岸片山かたやま村鎮座のわけ八幡宮であったことから(因幡志)、当村は片山村の分村として近世初頭に成立したと考えられる。「因幡民談記」によれば、慶長年間鹿野しかの(現鹿野町)城主亀井茲矩は高草たかくさ郡の領地八上やかみ郡からの用水に頼るため、利害の合致した鳥取城主池田長吉との間で、高草郡賀露かろ(現鳥取市)と取水口にあたる「袋川原ト云フ村」を交換した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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