デジタル大辞泉
「裏白」の意味・読み・例文・類語
うら‐じろ【裏白】
1 裏が白いこと。内側・底の白いことにも用いる。
2 ウラジロ科の常緑、多年生のシダ。主に暖地の山中に自生し、大群落をつくる。葉は長さ約1メートル、上端で二葉片に分かれ、さらに羽状に分かれ、裏面は白みを帯びる。柄は太く茶褐色で強く、かごなどを作る。葉を新年の飾りに用いる。やまくさ。ほなが。もろむき。へご。うらかぜぐさ。《季 新年》「名こそかはれ江戸の―京の歯朶/子規」
3 「裏白連歌」の略。
4 「裏白戸」の略。
5 野菜、特にシイタケの裏側に魚のすり身をつけて蒸し上げた料理。
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うら‐じろ【裏白】
〘名〙
① 裏側、内側、底の部分が白いこと。また、そのもの。
(イ) 紙を横に二つ折りにして、表にだけ書いたもの。
(ロ) 底の白い紺足袋。
※万宝鄙事記(1705)一「裏白(うらじろ)とは裏に板を付るを云。是簀戸にあらず」
※俳諧・誹諧初学抄(1641)
初春「裏白
(ウラシロ) 懐紙 正月三日 於北野連歌也」
⑤ 南または南西の風の名。まじ。
⑥ シダ類ウラジロ科の常緑草本。本州中部以南から東アジアの熱帯に広く分布し、暖地に群生する。根茎は針金状で長く
地中をはう。葉は太い褐色の柄をもち、長さ五〇~一〇〇センチメートルの二回羽状複葉で、櫛の歯状に深く裂け、表面は鮮緑色、裏面は白色を帯びる。
胞子嚢(ほうしのう)群は中脈と縁の中間につき包膜はない。夫婦和合、とも白髪(長寿)を象徴するものとして葉は新年の飾りに、また
葉柄は箸
(はし)、籠
(かご)などにする。うらじろぐさ。うらじろわらび。しだ。ほなが。やまくさ。もろむき。へご。《季・新年》 〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・曠野(1689)二「
山柴にうら白まじる竈かな〈重五〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
裏白 (ウラジロ)
裏白 (ウラジロ)
裏白 (ウラジロ)
裏白 (ウラジロ)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の裏白の言及
【倉∥蔵】より
…屋根との間も火がまわりやすいので,鉢巻と呼んで,段をつけたり,斜めの持出しにして壁を塗った。入口や窓には板戸の表裏に厚く壁土をつけた扉を釣り込み,入口にはさらに裏白(うらじろ)と呼ばれる表だけに壁土をつけた引戸と格子戸を設け,ふだんは扉は開け放しにして,裏白だけを引いて戸締りをした。土蔵は二階建てのものが多く,壁面が大きいため,下方は雨水で洗われて壁が崩れやすい。…
※「裏白」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」