東京より南へ約930km,父島より西へ130kmの北緯27°14.6′,東経140°52.6′の位置にある無人島。東京都小笠原支庁管内にある。1702年,スペインの帆船〈ロザリオRosario〉が発見,ロザリオ島と命名された。この名は1904年まで使われ,その後西之島と呼ばれるようになった。長さ約700m,幅約300m,標高約25mの島で,付近の海底地形から直径約1kmの海中火口の西側の火口縁にあたるものと考えられていた。1973年4月ころよりこの島の東方600mの位置で海底噴火が始まり,それがしだいに活発化して同年9月にはついに海面上に新火山島が出現した。新島はその後も噴火位置を移動させながらその面積を広げ,同年12月21日には海上保安庁から西之島新島と命名された。翌74年になっても火山活動は少しも衰えず,溶岩と火山岩片を噴出し,同年6月までに五つの火口をもち,面積23万8000m2,標高53.8mの島に発達し,その南端で旧島と接続して噴火活動を中止した。その後新島は南岸から強風と波浪による浸食をうけ,第1,2,3火口丘が破壊されたが,それらの破片の一部が北方に移動して,新・旧島との間に生じた湾の入口をふさいで池をつくり,今日にいたっている。
執筆者:小坂 丈予
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
東京都小笠原(おがさわら)支庁管内、火山列島海嶺(かいれい)上の無人の安山岩質活火山島。東京の南930キロメートル、父島の西130キロメートル、北緯27度15分、東経140度53分に位置する。面積約0.29平方キロメートル。標高25メートル(2013)。1973年(昭和48)、付近海底で有史以来初噴火し、西之島新島が誕生した。噴火は翌年終わったが、新島は、本島の面積7万7000平方メートルの約3倍になり、本島に接続した。戦後唯一の日本国土の自然増。海食などで新島部分の変形は激しい。旧名はロザリオ島Rosario Islandで、1702年(元禄15)にこの島を発見したスペインの帆船名にちなみ、20世紀初頭まで使われた。2013年(平成25)11月20日に南南東500メートルの位置で噴火、新島は西之島と一体となり2014年2月段階では面積0.72平方キロメートル、最高部66メートルとなっている。
[諏訪 彰]
(2013-11-25)
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