見入・魅入(読み)みいる

精選版 日本国語大辞典 「見入・魅入」の意味・読み・例文・類語

み‐い・る【見入・魅入】

[1] 〘自ラ五(四)〙
① じっと見る。一心に見る。われを忘れてみとれる。
蜻蛉(974頃)中「きこうじたる心ちなれど、夜のふくるもしらずみいりてあれば」
② (「魅入」とも書く) 執念をかける。魔性のものがとりつく。
※俳諧・武蔵曲(1682)「泣ておののく萩の小女〈昨雲〉 妻恋る花馴駒の見入たる〈似春〉」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七「吾輩は茫然としてこの光景に魅入られた許り立ちすくんで居た」
[2] 〘自ラ下二〙 (一)②に同じ。
源氏(1001‐14頃)須磨「海の中の龍王の、いといたうものめでするものにて、みいれたるなりけり」
[3] 〘他ラ下二〙
① 外から内を見る。奥まで見やる。のぞく。
古今(905‐914)哀傷・八五三・詞書「秋のよふけてものよりまうできけるついでにみいれければ」
大和(947‐957頃)一七三「荒れたる門にたち隠れてみいるれば」
② 目をつける。心をとめて見る。関心を持って見る。
※枕(10C終)四一「鳶・烏などのうへは、見いれきき入れなどする人、世になしかし」
③ 心をいれて世話する。目をかける。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「かくて侍らんよりも、さてしもこそ、なかなかにみいるる人なくて侍らんは、ますます堪へ難からめ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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