見舞・見廻(読み)みまう

精選版 日本国語大辞典 「見舞・見廻」の意味・読み・例文・類語

み‐ま・う ‥まふ【見舞・見廻】

〘他ワ五(ハ四)〙
警戒・監督・見物などのために見回る。巡視する。
※古活字本毛詩抄(17C前)一「夙夜は前の夜の事濯漑は前日の夕に見まうぞ」
② 訪問する。挨拶に行く。とぶらう。
※玉塵抄(1563)九「吾は仙人になったれば死いで千年してまたふる里えきてみまうたぞ」
③ 医者が、病人の様子を診察して回る。往診する。
※俳諧・物種集(1678)「余所にのみ見廻ましたと声はして 医者かえて行萩の下庵〈胤久〉」
※浮世草子・西鶴織留(1694)四「(よひ)に薬出し置、朝脉に見まへば」
④ 病気や災害にあった人をたずね慰める。また、書面で問い慰める。
※浮世草子・男色大鑑(1687)七「今夜の産所見舞(ミマヒ)給はずや」
⑤ 相手にとって好ましくないことをしたり、好ましくない状態にしたりする。また、好ましくない物事がおそいかかる。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の家「氷河時代は今後に於ても〈略〉地球を見舞ふ事がないとは」
⑥ (⑤から転じて) 一般に、自動詞的に、ある状態になる、ある状態がくる。
※崖の下(1928)〈嘉村礒多〉「父の身神には安息の日は終ひに見舞はないのである」

み‐まい ‥まひ【見舞・見廻】

〘名〙
① 見回ること。見回り。巡察。巡視。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「デンバタヲ mimaini(ミマイニ) イデラレタレバ」
② 訪問すること。とぶらうこと。挨拶に行くこと。
※古文真宝彦龍抄(1490頃)「我一期の間奉公せいでは叶まいが、捨之父を見まいに行よ」
※大英游記(1908)〈杉村楚人冠〉本記「此の曠世詩人が生れたといふ家を見舞(ミマ)ひ」
③ 医者が病人の様子を見て回ること。往診。
※仮名草子・竹斎(1621‐23)下「門より典薬衆見まひとあり」
④ 病気、災難などにあった人を慰めるために訪れたり、書面で問い慰めたりすること。また、そのための訪問や書状、贈物など。
※古活字本毛詩抄(17C前)一九「骨ををらるるらうと云て見まいに来」
※咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上「あるもの、火事にあひけるを、見舞(みマヒ)に行きければ」
⑤ 好ましくない物事が襲うこと。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉力士階級給金「出世すべき力士一同が〈略〉土俵に登り、森厳儀式があるのだが、其道々でばたばたお祝の拳骨平手の見舞(ミマヒ)を受ける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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