見過(読み)みすぐす

精選版 日本国語大辞典 「見過」の意味・読み・例文・類語

み‐すぐ・す【見過】

〘他サ四〙
① 見ながらそのままにすごす。見ても気にとめないで、そのままにしておく。見て見ぬふりをする。見すごす。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「例より興あるしさくなるを、え見すぐすまじくおもほえつるを、いとせちなるあゆみなり」
世話をしながら時日をすごす。
源氏(1001‐14頃)葵「親達の、いとことごとしう思ひ惑はるるが心苦しさに、かかる程を、みすぐさむとてなむ」
③ 見て、時日をすごす。
※源氏(1001‐14頃)蓬生「年経たる人の心にも、類あらじとのみ、めづらかなる世をこそはみたてまつりすごし侍る」
④ 見ながら気づかずにすごす。見落とす。見すごす。

み‐すご・す【見過】

〘他サ五(四)〙
※宇津保(970‐999頃)楼上下「むかしの心ならましかば、かかるをみすごさましや、とねたうおぼえ給」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四「いと苦しげなる有様をば、小常はさすがに見過(ミスゴ)しかねて」

み‐す・ぐ【見過】

〘自ガ上二〙
① 見てそのまま過ぎる。
※源氏(1001‐14頃)宿木女郎花をばみすぎてぞ出で給ひぬる」
② 以前、見知っている。
※浮世草子・椀久一世(1685)上「心やさしく姿のうるはしき事見すぎし藤屋の朝妻にちとおもやせたる生れつき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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