詩歌合(読み)しいかあわせ

精選版 日本国語大辞典 「詩歌合」の意味・読み・例文・類語

しいか‐あわせ ‥あはせ【詩歌合】

〘名〙 数名左右にわかれ、同一の題について、一方和歌、一方は漢詩を作り、それをくらべ合わせて優劣を競うもの。また、それを記録したもの。しかあわせ。
拾遺愚草(1216‐33頃)下「摂政殿にて歌を詩に合はせらるべしとておなじ題を二首よませられし。詩哥合とかやの初め也」

しか‐あわせ ‥あはせ【詩歌合】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「詩歌合」の意味・わかりやすい解説

詩歌合
しいかあわせ

同一の題で左右がそれぞれ和歌と漢詩をつくり、その優劣を競う行事。漢詩と和歌との接触により行われるようになった。1133年(長承2)藤原忠通(ただみち)が挙行した「相撲立(すまいだて)詩歌合」が現存最古のもので、古人の詩歌の秀逸を選んで20番ある。盛んになったのは鎌倉時代からで、藤原良経(よしつね)の1205年(元久2)の詩歌合30番が有名で、これに倣い「建保(けんぽう)元年(1213)内裏詩歌合」が催された。また批評のない自詩歌合として「定家卿独吟詩歌(ていかきょうどくぎんしいか)」「和漢名所詩歌合」「和漢朗詠題詩歌」などがあり、その後「康永(こうえい)二年(1343)五十四番詩歌合」「文安(ぶんあん)詩歌合」「文明(ぶんめい)十四年(1482)三十六番詩歌合」、翌年の「六十番詩歌合」がある。

[大曽根章介]

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