認知工学(読み)にんちこうがく(英語表記)cognitive engineering

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「認知工学」の意味・わかりやすい解説

認知工学
にんちこうがく
cognitive engineering

人間の認知を支援する目的で,認知科学成果を利用する工学技術。1980年アメリカ合衆国のカリフォルニア大学サンディエゴ校のドナルド・A.ノーマンが提唱した。コンピュータにある特定の分野の知識などをデータベースとして記憶させておき,ユーザーが必要なとき,情報を加工して使いやすい形態で提供するシステムの設計,あるいは人間とのインターフェースをも考えた大規模システムの構築方法,コンピュータと人間との協調的な共同作業システムなどを取り扱う。コンピュータの発展とともに,その計算能力が向上し,従来人間が行なっていた思考・判断などの知的処理を支援するためのシステムを構築することが部分的には可能になった分野もある。エキスパートシステム,デシジョン・サポート・システム,コンピュータ支援共同作業 CSCWなどが研究の対象となる。また,エキスパートシステムなどのような人工知能応用を目指した分野を,特に知識工学という。この呼称はエドワード・A.ファイゲンバウムが最初に使用した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android